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リスキルとは?リカレントとの違いや具体的な施策を紹介

                   
新規事業・商品開発
公開日:2022.11.17更新日:2023年4月20日

リスキルとは?リカレントとの違いや具体的な施策を紹介

最近、リスキルやリカレントといった言葉をよく耳にする。
これらは社員のスキル向上を目的としたもので、新規事業開発などの会社の変革を期待して導入する企業も存在する。

ところでリスキルとリカレントの違いを理解している人は少ないのではないだろうか。
また、企業でリスキルを導入する際に、どういったメリットや施策方法があるのだろうか。

今回は、リスキルとリカレントの違いや施策する方法について解説しよう。

目次

リスキルとは

リスキルとは、既存の社員が新しい資格や技術を習得する取り組みである。
人材育成として利用される場合もあり、自社の能力向上を底上げするメリットがある。
新型コロナウイルスなどの影響で、市場のデジタル化が一気に加速し、ITスキルが求められるようになった。
ITスキルをカバーするために多くの企業がリスキルを取り入れ、既存の社員にITのノウハウの習得を促している。
リカレントと間違われて認識されていますが、リスキルとリカレントはまったく違う意味である。
では、リスキルとリカレントはどのような違いがあるのだろうか。

リカレントとの違い

リスキルとリカレントの違いは、学び方だ。
リスキルは、資格や技術を新しく習得する取り組みである。
リカレントは、既に習得している資格や技術を学びなおす取り組みを指している。
学び方以外にも、習得方法も異なるのである。
リスキルは、働きながら資格や技術の習得が前提である。
しかしリカレントは、一度職場を離れて学びなおす方法の際に使われている。
学び方や取得方法によって、リスキルとリカレントには大きな違いがある。
しっかり理解しておこう。

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リスキルが注目されている背景

新型コロナウイルスの影響で、デジタル化の波が一気に加速したが、デジタル化を進めていくうえで、必要なのがデジタル人材である。
現状、デジタル人材は不足しており、雇用自体が難しい状況なのだ。
IT化への柔軟な対応が求められている現状で、デジタル人材を探して雇用するのは、非効率になってしまう場合がある。
企業は、既存の社員の経験を生かしつつITのノウハウを取得できるリスキルに取り組むのである。
そのほかに人生100年と言われる現代において、新しくノウハウを取得するのに年齢は関係ない。
一昔前までであれば、人材育成は若手組が取り組むものだったため、中堅世代になると自己啓発などの人材育成は、個人判断で行われていた。
しかし業務の都合や繫忙期など、自己啓発に十分な時間を費やしている人が少ないのが現状である。
自己啓発などを行わずに今の管理職を外れたときに、コストパフォーマンスを上げられない中高年社員が増加してしまう企業が存在している。
そのため企業は、中堅世代にもデジタルやグローバル化による市場変化に柔軟に対応できるスキルや資格の習得を促進している。

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リスキルのメリット

企業がリスキルを取り入れると、どのようなメリットがあるのだろうか。
考えられるメリットを4つ紹介しよう。

従業員のキャリアアップにつながる

新しいスキルを習得してもらえると、人材のスキルアップに繋がる。
社員本人も新しいスキルの習得で自信がつき、仕事のモチベーション向上にもつながるだろう。
既存の社員のスキルが上がるため、企業としての能力向上にも貢献している。

新しい市場への進出が可能になる

新しいスキルを習得すると、視野が広がるだろう。
そこで、最先端のスキルを学んでもらえれば、今までにないアイデアが生まれる可能性もある。
新しいアイデアは、企業の市場を広げ利益拡大に貢献するだろう。
事業が成功すれば、既存の商品よりも利益が得られる可能性も非常に高いのだ。
リスキルは、最先端のスキルで視野を広げて、既存の商品などに頼らない利益の獲得を可能にする。

生産性が大幅に向上する

これまで手作業で行っていた仕事を、新しく習得したスキルで効率的にできる可能性がある。
デジタルツールが拡がり、単純な作業や決まった作業はツールが行うようになった。
既存の社員がツールを使いこなせるようになれば、生産性が上がるだろう。
空いた時間を、事業計画やイレギュラー対応などに充てられるため、業績にも良い影響を与えるだろう。

採用コストの削減

デジタル人材は企業のデジタル化促進を図るためには必要不可欠である一方、人材不足の課題は深刻で、いまも人材の獲得が難しい状況である。
リスキルでIT関連を学び、自社でフィードバックを行えばデジタル人材を雇わずに、社内で人材育成が可能である。
その結果、デジタル人材の雇用が不要になり採用コストの削減にも繋がる。
既存の社員で人材を確保するため、即戦力にもなり離職率の軽減にも繋がるのである。

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リスキルのデメリット

業務の効率化や新事業への拡大など、多くの期待が寄せられているリスキルでもデメリットはあるのだ。
では、どのようなデメリットがあるのだろうか。

プレッシャーによるモチベーションの低下

ほとんどの企業は、社員を抜粋してリスキルでの資格取得を推奨するだろう。
選ばれた人によっては、過度なプレッシャーを与えてしまう可能性がある。
プレッシャーによる、仕事のモチベーション低下にも影響する場合がある。
社員がプレッシャーを感じずリスキルを取り組めるように、サポートや参加しやすい雰囲気作りも必要である。

時間の捻出が難しい

リスキルは、仕事をしながら新しいスキルを習得する取り組みである。
スキルの取得と通常業務を並行して行わなければならない。
1日研修や出張などがあれば、業務が滞ってしまう。
繫忙期であれば、リスキルに取り組むこと自体が難しいだろう。
業務とリスキルの板挟みで、社員に負荷がかからないような配慮が必要である。
リスキルを始める際に、業務の洗い出しや人員の補充など、余計な負荷がかからないような環境を整えよう。

スキル取得による転職リスク

リスキルによって、新しいスキルを習得した社員は、違った視点でのアイデアも多く企業の能力向上に貢献してくれるだろう。
スキルアップした社員が、さらにスキルを求めて転職してしまう可能性もある。
優秀な人材が他社に流れてしまうのは、避けたい部分である。
転職リスクを避けるために、習得後の環境を整えよう。
本人の希望があれば、スキルを活かせる部署への異動など、スキルを十分に発揮できる環境への変更も柔軟に対応するのがいいだろう。

取り組むまでに手間がかかる

リスキルに取り組むまでに、かなり時間がかかる。
対象者の絞り込みや研修の手配など多くの手続きが必要である。
リスキルを取り仕切る部署からも不満がでてくる場合もある。
リスキルを提案する際は、他部署と連携を取りながらスムーズに行えるようなフローを考えておこう。

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リスキルの効果的な進め方

リスキルを効果的に行うには、どのような進め方が良いのだろうか。
効果的な進め方を4つ紹介しよう。

学びの重要性を明確に発信する

まず、企業としてリスキルの重要性を明確に発信しよう。
企業と社員のベクトルが同じ方向を向いていないと、効果を感じるのは難しい。
企業に明確な理由がない場合、多くの社員は「強制させられている」といった不満に繋がってしまう。
企業全体の課題や数年後のビジョンなどの発信を行い、企業の方向性を発信しよう。

獲得すべきスキルの選定

企業としての方向性が決まれば、それに必要なスキルを選定しよう。
部署ごとにスキルにスキルを選定する方法でもいいだろう。
選定が難しい場合は、人事や現場部門などのニーズにあったスキルの選定でも大丈夫だ。
企業と社員のどちらにも利益があるスキルを選定しよう。

実践の機会を設ける

スキルを習得したあと、発揮できる機会がなければ意味がない。
習得した社員も、モチベーションを保てず離職してしまう可能性もある。
習得したスキルが、現場で使えるような機会を設けてあげよう。
部署の異動やスポット業務など、本人がスキルを使用して活躍できる環境を整えよう。
スキルを実務に使用できれば、業務効率化などのパフォーマンス向上にも繋がるのだ。

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リスキルの人事施策には何がある?

リスキルをいきなり始めても、社員の反応はいまいちである。
業務と並行して新しいスキルを取得するのは、簡単ではないからだ。
社員が取り組みやすい環境を整えるには、どういった内容があるのだろか。

評価制度を整える

スキルを取得したあと、どういった評価がもらえるのか明確に発信する必要がある。
報酬の増額や賞与への反映など、目に見える形で発信しよう。
社員は、スキル取得に対してのリターンが明確でなければ、リスキルに取り組まないだろう。
社員が納得している評価制度であれば、スキルを習得するモチベーション維持にも効果的である。

キャリア選択を柔軟に対応する

スキルを習得した際に、キャリア選択を柔軟に行えるような体制も必要である。
習得しても使用しなければ、身につかないだろう。
部署異動など、本人が希望した際にも柔軟に対応できるよう体制を整えておこう。

出向制度の活用

出向制度を利用するのも効果的である。
出向制度とは、企業に在籍しながら別の企業にも就業できる制度のことである。
スキル習得後、さらにスキルアップをはかりたい社員にはこちらを提案してみよう。
左遷などマイナスなイメージを持たれてしまいますが、多くの経験値や成長機会に出会えるチャンスだ。

現場ファーストを意識する

スキルを選定したが、参加者が少ないと感じたら、現場とのニーズが合っていない可能性がある。
スキルを選定する際は、各部署にアンケートを配るなど現場で必要なスキルを理解する必要がある。
社員が、習得したいと思うようなスキルを選定しよう。

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リスキルの事例

大手企業は、どのようなリスキルを取り入れているのだろうか。
2社のリスキル事例を紹介しよう。

みずほフィナンシャルグループ

みずほフィナンシャルグループは、オンライン講座で人材育成の制度を整えている。
副業の解禁や自分磨き休暇といった休暇制度を設けており、スキル習得のチャンスを広げている。
トレーニング公募など、得たスキルを生かす機会も設けており効果的なリスキルを行っている事例の一つである。

ダイキン工業株式会社

ダイキン工業では、大阪大学の教授が社員に対して、AIをはじめとする情報系技術の教育を施している。
9か月に渡る長期のプログラムで、20〜40代の幅広い年齢層が参加している。
演習や実践的な取り組みを行い、2020年には、日本からマレーシア拠点にリモートOJTで生産ライン立ち上げを行った。

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取り組みやすい環境や制度を整えよう

今回は、リスキルとリカレントの違いや施策する方法について解説した。
リスキルは新しいスキルを働きながら取得する取り組みを言うのである。
既存の社員のスキルアップを行い、企業全体の能力向上を目標としており、多くの企業が注目している。
リスキルを行う際は、取り組みやすい環境や評価制度を整え、社員にもメリットがあると認識してもらおう。

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この記事の監修者

監修者の写真

株式会社フィンチジャパン 代表取締役

高橋 広嗣

早稲田大学大学院を修了。
野村総合研究所経営コンサルティング部入社。
経営戦略・事業戦略立案に関するコンサルティングを実施。
2006年に当社を創業し現在に至る。
以来、一貫して事業開発プロジェクトとスタートアップ投資を行っている。
対外活動も積極的に行っており、顧客満足を科学した結果を発表したり、宣伝会議講座では事業開発の講義も実施している。

出版

半径3メートルの「行動観察」から大ヒットを生む方法

PR Times記事

https://prtimes.jp/main/html/searchrlp/company_id/53478>

ZUU online記事

https://zuuonline.com/authors/d7013a35

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