企画書とは?作成する目的や書く際のポイントを解説
公開日:2022.11.17更新日:2023年4月20日
新規事業を企画をする際などに、企画書の作成が必要である。
新しいアイデアが生まれても、企画書で落とされてしまっては意味がない。
企画書を作成する際に、どういったところに気を付ければいいのだろうか。
今回は、企画書を作成する目的や作成するポイントについて解説しよう。
企画書とは
新事業を立ち上げる際に、はじめに作成するのが企画書である。
新しい商品やサービスなどをまとめて提案した資料を企画書と言う。
提案書と同じ資料だと認識されている方も多いですが、まったく別の資料である。
提案する相手が、企業側かクライアント側かによって提出する資料が異なるのである。
では、企画書を作成する目的や提案書との違いは、何なのだろうか。
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企画書の目的
新しいアイデアを上司に相談した際に、企画書の作成を指示される。
内容をすでに話しているのに、なぜ企画書が必要なのだろうか。
作成する目的は、企画の内容を明確にするためである。
新しいアイデアを口頭だけで説明しても、聞いている側はイメージしにくいだろう。
そのため新しいアイデアを、聞いている側に正しく伝えるために企画の作成が必要なのである。
相手に正しく伝えるためには、デザインやフォーマットなどの工夫が必要だ。
企画書が見やすいと、目を通してもらいやすくなり企画が通りやすくなるだろう。
提案書との違い
提案書と同じ資料だと認識している方も多いだろう。
企画書と提案書は、まったく別の資料で提出する相手が異なる。
企画書は、企業に対して「新しいアイデアを商品化したい」と提案する資料だ。
一方、提案書はクライアントに対して「商品を買ってほしい」と提案する資料である。
提案書との違いが分からなくなってしまう場合は、誰に対して新しいアイデアを提案するのかを考えてみよう。
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企画書に必要な5つの要素
企画書を作成する際に、必要な要素が5つある。
新しいアイデアを、相手に正しく伝えるために必要な内容だ。
どういった理由で必要なのか、それぞれ確認してみよう。
現状分析
相手に「必要な商品だ」と認識してもらえるように、現状の問題点などを記載する。
企画するに至った背景なども併せて記載すれば、商品のイメージがしやすくなる。
商品化するにあたって、顧客のニーズや競合他社などの外部環境の記載も必要になる。
さらに人材の確保や予算など内部環境の現状分析も必要だろう。
外部環境と内部環境を照らし合わせて、実現可能な企画案だとアピールしよう。
企画の課題と全体図
企画に対しての課題や全体的な流れを記載する。
現状の問題点や内部環境などから洗い出された課題点を提示し、提示した課題に対しての、解決策や解決までの道筋も併せて記載しよう。
企画の最終的なゴールの記載も必要である。
ターゲットの具体例
商品化をした際のターゲットを記載しよう。
商品を誰に対して、どうやって売るのかを簡潔に提示しよう。
女性や男性など性別が異なるだけでも、アプローチの仕方が変わるのである。
製造業や小売業など、業種によってもニーズが異なるように、正しいアプローチができなければ、商品化しても売れないのである。
「どういった方法で販売していくのか」といった点も重要である。
店舗販売かオンライン販売かだけでも、販売方法が異なる。
ターゲットの年齢層によっても、SNSの導入やCM起用など販売方法を変える必要がある。
ターゲットの絞り込みは売り上げに直結するため、市場調査などで絞り込みをしておこう。
商品化までのスケジュール
次に、スケジュール管理である。
企画を立ち上げて商品が完成するまで、どの程度かかるのか大まかなスケジュールを記載することを心がけてほしい。
他部署や他社と連携する場合も含め、無理のない実現できるスケジュールを提示しよう。
企画を進めるにあたってトラブルも発生するだろう。
トラブルの発生も想定して、スケジュールに少し余裕も持たせてもいいだろう。
費用と売上
最後に必要なのが、費用や売り上げに関する部分である。
新しい企画を立ち上げるには、お金がかかる。
どの程度の費用が必要なのか表も使用して記載しよう。
また売上の見込金額も記載を忘れないことだ。
いくらで販売して、何年で回収が可能なのかなど具体的な数字を提示するといいだろう。
できるだけ細かく記載して見やすい表などで作成しよう。
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企画書を書く際のポイント
意識したいポイントを4つ紹介しよう。
企画がとおりやすくなるように、いろいろ工夫してみよう。
シンプルなデザインを意識する
作成時に気をつけてほしいポイントの一つである。
企画書は、企業に対して商品化を提案する資料である。
できるだけシンプルに作成することを心掛けよう。
企業側もメリットがあると感じなければ採用しない。
文字の大きさやフォントなどを変更して、見やすい企画書を作成しよう。
目を通したときに、伝えたい内容は何か、ひと目見てわかるようなデザインにし、
作成する際に、文章の構成もできるだけ簡潔に。
情報量が多いと、結局何を伝えたいのか分からないといった状況になってしまう。
子どもが見てもわかるようなシンプルで分かりやすい企画書を意識しよう。
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グラフや図を取り入れる
文章だけの企画書では視認性が悪い。
グラフや図を用いて見やすい企画書を作成しよう。
グラフや図は、文章で説明するより視覚的に伝わりやすい特徴がある。
情報をひと目見て理解できるため、積極的に取り入れよう。
市場調査やターゲットの絞り込みなど、データ分析などで用いると見やすくなる。
グラフや図を取り入れる場合は、全体のバランスも考慮して取り入れよう。
多過ぎると落書きのようになり、少な過ぎると企画書自体が分かりにくくなるため、
企画書全体に適切なタイミングで取り入れると、分かりやすく見やすい企画書になる。
成果やメリットを提示する
企画書は、商品化をプレゼンする資料である。
商品化するメリットが伝わるよう意識して作成しよう。
どういったメリットがあるのか、いくらの利益が得られるのかなどを記載することで、
企画に対してプラスの印象を与え、企業には成功するイメージを持ってもらえるようになる。
競合他社との差別化を明記する
商品化するうえで気になるのが、競合他社である。
どの企業も手を出していない新しい事業であれば、市場を独占できる可能性がある。
しかし、すでにある商品やサービスであれば、他社と戦わなければならない。
他社と競争を勝ち抜くために、企業独自のコンテンツなどで差別化を図ろう。
同じ商品でも、企業としてこれまで培ってきたノウハウがあるため、自社ならではの強みを提示することで、他社との集客争いを勝ち抜けるようになる。
差別化をするにあたって、他社の成功事例を取り入れる方法も効果的である。
成功事例を元に、自社でしかできないような商品やサービスの展開を考察してみよう。
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企画書作成に役立つフレームワーク
企画書を作成する際は、フレームワークに沿って作成しよう。
企画書のフレームワークとは、どういった内容になるのだろうか。
3C/4C分析
3C/4C分析は、事業内容や現状を把握する際に行う分析方法である。
分析する内容は、下記のとおりだ。
- 顧客
- 競合
- 自社
- 流通チャネル
それぞれの頭文字を取って、3Cまたは4C分析と呼ばれている。
分析を行う際は、上記の順番で行おう。
まず、顧客のニーズや問題点を書き出し、他社の商品の強みや弱みの分析をする。
自社も同じように分析を行い、他社との差別化を明記する。
差別化は必要ですが、フラットな視点で分析を行うよう意識しよう。
最後に、流通チャネルの分析である。
あまり聞きなれない言葉ですが、流通チャネルとは販売方法を指す。
効果的な販売方法や新しく構築された販売方法を明記しよう。
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SWOT分析
SWOT分析は、外部環境と内部環境を比較して分析する方法である。
分析する内容は、下記のとおりだ。
- 強み
- 弱み
- 機会
- 脅威
まず、自社が他社と比較した際の強みと弱みを分析する。
次に、商品化をするにあたってチャンスとなる外部環境の分析を行おう。
外部環境と内部環境を照らし合わせて分析を行う際は、企画の目的や最終的なゴール地点を明確にしておこう。
目的や最終的なゴール地点によって強みや弱みなど、分析結果が変わるのである。
企画書に記載する際は、表などを用いて分析内容が伝わりやすいように工夫しよう。
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6W2H
6W2Hは、企画書を作成するにあたって、もっとも重要なフレームワークである。
主な内容は、下記のとおりだ。
- Why(なぜこの商品が必要なのか)
- What(どういった商品なのか)
- Where(どこで販売するのか)
- Whom(誰に販売するのか)
- When(ゴールはいつなのか)
- Who(誰が企画を行うのか)
- How to(どんな方法で売るのか)
- How much(いくらで売るのか)
6W2Hは、上記の内容が一つでも抜けてしまうと、商品化の重要性が伝わりにくくなってしまうため、企画書を作成する際や企画を練る際には、こちらを意識しよう。
既存のフォーマットを利用しよう
今回は、企画書を作成する目的や作成する際のポイントについて解説した。
企画書を作成する際は、明確な目的と最終目標の設定が必要である。
6W2Hを意識して、ほかとは異なる企画を作成してみよう。
企画書の作り方で迷った場合は、既存のフォーマットを使用しよう。
内容を記載するだけなので、扱いやすく見やすい企画書に仕上げてくれる。
フィンチジャパンでは、新規事業をサポートする支援サービスや無料セミナーなどを実施しています。
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この記事の監修者
株式会社フィンチジャパン 代表取締役
早稲田大学大学院を修了。
野村総合研究所経営コンサルティング部入社。
経営戦略・事業戦略立案に関するコンサルティングを実施。
2006年に当社を創業し現在に至る。
以来、一貫して事業開発プロジェクトとスタートアップ投資を行っている。
対外活動も積極的に行っており、顧客満足を科学した結果を発表したり、宣伝会議講座では事業開発の講義も実施している。
出版
PR Times記事
『https://prtimes.jp/main/html/searchrlp/company_id/53478>』
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