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新規事業のプレゼンテーションを通すための知っておくべき3つの情報

新規事業・商品開発2018.07.31

新規事業のプレゼンテーションを通すための知っておくべき3つの情報

自らが考え出した新規事業のアイデアの種を企画し、実現のための予算を獲得するためには、社内で企画のプレゼンテーション(プレゼン)をしなければいけないシーンが発生する。

もちろん、企画そのものの善し悪しは重要だ。しかし、「企画の背景をよく知らない人たちにどうプレゼンするか」という見せ方も企画採用の判断に大きく影響する。
このことを踏まえておかないと、せっかくプレゼンをする相手の時間を獲得したのに、自分の言いたいことだけを一方的に話してしまい、結果新規事業の立ち上げは実施できなくなる。

この記事では、まず、プレゼンを聞く側が何を期待してるのかという整理をする。このことを踏まえて、プレゼンの段階毎の相手の職位に合わせて、どのような情報を提供し、どうアピールしたらよいかなどを一つ一つ解説する。そして、最後にプレゼンに盛り込むべき「5W2H」の情報整理とストーリー性のあるプレゼンの作り方を紹介する。

プレゼンの目的と基本内容を理解することが重要

ありがちなのは、新規事業のアイデアを思いつくままにプレゼンして、相手に上手に伝わらず、結果採用されないという状況だ。
そこで、どうすれば話を聞いてもらえるのか、という問題に直面する。
この問題を解決するためには、そもそもプレゼンの目的や意義をきちんと把握することが肝要だ。

プレゼンの目的:相手に次の行動をさせること

プレゼンの目的は、相手に企画の趣旨を理解してもらい、その魅力を伝えることで、企画を採用へと進ませる行動を取らせることだ。
ここでポイントとなるのは、プレゼンをする相手によって、取ってもらう行動が異なるという点だ。

例えば、あなたの直属の上司に新規事業の企画を認めてもらう場合、そのプレゼンの目的は、「企画を実現するために、さらに次のステージへと進ませること」になる。具体的には、上司がその上の部長や事業部長などにその企画を提案したり、部門会議で提案する機会を獲得したりすることである。

つまり、プレゼンの本当の目的は、企画を説明することではなく、相手に自分が望む行動を促すということにほかならない。プレゼン自体が良い評価を受けても相手が自分の望む行動をとってくれなければ、結果的にそのプレゼンは失敗だったということになる。

ブレゼンの目的達成のキモ:相手にとってのメリットを伝える

プレゼンを行う相手の行動を促すためには、その相手の求めていることを明確にして相手の期待事項(メリットなど)を的確に伝えなければならない。プレゼンを行う相手の聞きたい項目と関係ない話を進めても、関心は示されず途中からまともに聞いてもらえない。
例えば、上司が「市場調査に必要な予算の妥当性」を求めている場合は、市場調査で何が明らかになるかを説明する必要がある。
また、「会社の中期経営計画の実現にどう貢献するか」について説明を求めている場合は、その答えを準備しなければならない。

プレゼンの時間:上層の相手ほど、話す時間は少なくなる

社内プレゼンの時間は、上層の相手になるほど短くなる。
例えば、役員や経営会議などでは10分~15分といった短時間になることも珍しくない。そのため社内プレゼンでは、上層で実施するほど簡潔かつインパクトの強い内容のプレゼンが求められる。

関係者の数だけ、聞きたい情報が違う

また社内プレゼンでは、複数の関係者へのプレゼンが求められる。
さらにそれぞれの相手で期待事項(メリットなど)が違っている場合が多い。そのため、あなたは相手に合わせて、様々な視点でメリットを簡潔にかつ論理的、そしてインパクトのある方法でプレゼンしなければならない。

各段階のプレイヤーに対応した情報を提供することが重要

社内プレゼンの段階を職位で見た場合、一般的には次の段階を経て進むケースが多い。

  1. 直属の上司(課長クラス)
  2. 部長や事業部長
  3. 経営層

そのため、各段階の対象相手により、プレゼンの内容や方法を変えることが重要になる。ここではプレゼンの各段階のプレイヤーごとにどのような情報を提供していくべきか説明しよう。

プレゼンで伝えるべきメリット

各プレイヤーへのプレゼンでは、そのメリットの提示が重要だ。
メリットを考える上では、一般社団法人日本能率協会が2016年9月に実施した経営者の「当面する経営課題」に対する調査が参考になる。

  • 収益性向上
  • 人材の強化
  • 売り上げ・シェア拡大
  • 新製品・新サービス
  • 技術力・研究開発力の強化

調査結果では、こういった要素が上位に挙がっている。つまり、これらを実現するための情報を示すことが、メリットとして新規事業を評価するポイントになる。

直属の上司(課長クラス)

まず、担当者が自分のアイデアを最初にプレゼンする相手は、直属の上司である課長などの職位になる。
その新規事業を具体化・実現させていくには、まず課長に新規事業の魅力を理解してもらい、支援者となってもらうための情報が必要だ。
なお、直属の課長へのプレゼンでは比較的長めの時間を取ってもらえる可能性もあるので、納得してもらうための必要な情報を十分に整えて説明することが欠かせない。

課長のニーズ

ここで一度、プレゼンを行う課長というポジションについて考えてみよう。

  • 課の目標達成
  • 新規事業の推進
  • 部下の育成

課長という職位は、こうした要素が自身の人事上の重要な評価項目となる。それらにつながる情報をメリットとして提示できることがポイントとなる。

課長にプレゼンで提示する項目

  1. 課題と市場性:どのような課題やニーズがあるのか、それを取り込む商材・サービスにはどの程度の市場性があるのか。
  2. ターゲット及び市場規模:誰がターゲットで、どの程度の市場規模が期待できるか。
  3. 成長性:今後の市場成長率や、事業の売上成長率はどの程度期待できるか。
  4. 収益性:事業開始から5年程度までの売上・利益はどのくらいになるか。
  5. 投資やコスト:事業化するための投資額や生産・サービスにかかるコストはいくらか。
  6. 事業化までの期間:事業を開始するまでどの程度の日数がかかるか。
  7. 競争環境:ライバルに対してどの程度の競争優位性があるのか。
  8. 自社の戦略:自社の経営方針や事業戦略とどの様な関係があるのか。

ポイント:課長に対しては、丁寧に時間を掛けられる

課長は、新規事業の起案によって上位者からの評価を受ける場合があるため、課題の把握やニーズの検証といった、「事実の確からしさ」が重要となる。そのため、提案者はその実現性に向けた客観的な情報をできるだけ丁寧に収集してまとめ、課長にプレゼンするのが良いだろう。

新規事業のニーズや解決するべき課題を示す市場調査のデータを可能な限り収集し、そのニーズを取り込む商材やサービスの提供が可能である根拠を客観的なデータで示す必要がある。この段階でのプレゼン資料は、見た目より根拠情報の適切な質と量がプレゼンの成功のカギとなるだろう。

部長や事業部長

次のプレゼンの段階は部長や事業部長といった職位になる。担当者は直属の課長などとともに彼らに新規事業の内容をプレゼンし納得させなければならない。
なお、部長等へのプレゼンに要する時間は、課長クラスより短くなると想定されるため、課長に説明した際の資料を修正し簡潔でインパクトの強い内容にしなければならない。

部長や事業部長にプレゼンで提示する項目

また、部長の立場で、必要な情報を整理しよう。

  • 部門の目標達成度
  • 事業課題の解決
  • 新規事業の立ち上げ(戦略設定)

部長職は、こうした項目で評価されるため、それらに関する情報は部長のメリットとして判断されるだろう。

部長にプレゼンで提示する項目

  1. 簡潔な市場情報:課長にプレゼンした市場の特徴を簡潔にまとめた情報に修正しているか。
  2. 実現可能性:新規事業の実現は、どの程度期待できるか。
  3. 貢献度:新規事業によりどの時点から、どの程度の収益への貢献が期待できるか。
  4. 自社への影響:新規事業により他の部門にどのような影響を与えるか。どの様な協力を期待するか。
  5. 投資とリスク:どの程度の投資規模になるか(必要に応じて、失敗した場合のリスクはどうなるか)

経営者層

最後のプレゼン段階は新規事業の「GO」を裁決してくれる社長等の経営層となる。企業の規模にもよるが、大企業などでは彼らへプレゼンできる時間は10分から15分程度と短いことも往々にある。
そのため、少ない情報で経営層に新規事業の価値を理解してもらう必要がある。

経営層のニーズ

経営層が考えるメリットは、「新規事業の実現により、企業にどれだけメリットがあるか」という観点で考える。

  • 自社の企業価値にどれだけ貢献するか
  • 会社の成長に寄与する事業となるか
  • 経営課題の解決に繋がるか

経営層にプレゼンで提示する項目

  1. より簡潔な情報:今まで使用した資料を【5分~10分】程度で説明できる情報。
  2. 解決する課題:新規事業によって、市場のどんな課題やニーズを解決するのか、そのインパクトはどれほど大きいのか。
  3. 費用対効果:新規事業の費用対効果の程度を明確に示しているか。
  4. 意思決定のステップ:新規事業推進のシナリオ、事業推進のステップ(ニーズの明確化、プロトタイプの評価、具体的な行動プログラム、投資とリスク など)とタイムスケジュール
  5. 経営への貢献:経営層が描く会社の方針や中期経営計画に対する、定量的、定性的な貢献があるか。

5W2Hの情報整理とストーリー性のあるプレゼンが重要

自分のアイデアを新規事業として説明するためには、その内容を1つのストーリーとしてまとめる作業が必要だ。
そのためには、まず5W2Hで情報を整理する。次にストーリーとなるような構成に落とし込むことが欠かせない。

5W2Hでアイデアを整理する

下記のように5W2Hの点からアイデアを整理すると、新規事業の内容が具体化するとともに説明漏れが防止できる。

  • Why:何故、その事業が必要なのか。
  • What:どのような事業を提供するのか。
  • Where:どのチャネルでその事業を行うのか。
  • When:いつその事業を行うのか。今事業をやる理由は何か。
  • Who:誰にその事業を提供するのか、誰がその事業を行うのか。
  • How:どのようにその事業を実現するのか、どのように事業を行うのか。
  • How Much:その事業を行うにはいくらかかるのか。いくらで売るのか。

プレゼンの構成を決め、ストーリーを仕上げる

プレゼンの主な構成は、以下のような内容になる。
各構成では結論を第一に明示することが求められ、各構成間の順序や内容は、矛盾なく辻褄があっていることが重視される。

  1. タイトル:実施した場合の効果が感じられるタイトルをつける
  2. 現状分析、及び現状の問題点や課題点を明らかにし、プレゼンの相手と共有する
  3. 解決策:新規事業を通じた具体的な解決策を示す。
  4. 実施効果:新規事業の実施による効果、及びプレゼンの相手のメリットを示す
  5. 根拠情報:上記の効果やメリットが得られるという根拠となる各種データを示す
  6. 意思決定の喚起:新規事業の推進の裁決を促すメッセージを示す

まとめ:新規事業のプレゼンテーションを通すための知っておくべき3つの情報

最後に、新規事業の社内プレゼンにおいて、その裁決を勝ち取るための重要な3つのことのなかで、ポイントがいくつかあるので、まとめておこう。

  1. プレゼンとは、話し相手の期待事項(メリットなど)に合わせた内容を盛り込む事が重要。プレゼンの目的は、プレゼンにより相手を自分が望む行動へと促すことであり、それを踏まえたプレゼンの設計が求められる。そして、プレゼンを行う相手の行動を促すために、その相手を明確にしてその者のメリットを的確に伝えることが重要となる。
  2. 社内プレゼンの段階は「課長→部長→経営者層」などの段階で行われる。各プレゼンでは各段階に登場するプレイヤーに応じたメリットを提示することが必要だ。課長層には実現に向けた客観的な情報が重要だ。部長層には部門目標達成においてメリットのある内容や戦略的な新規事業の立ち上げである内容が求められる。経営層には、収益性の向上や経営課題の解決がはっきり伝わるシンプルでかつインパクトのある内容が大事だ。
  3. これらの各段階でのポイントを抑えた上で、5W2Hでの情報整理とストーリー性のあるプレゼンに仕上げる。このフレームワークを踏まえることで、それぞれの相手に対して効果的なプレゼンを行うことができる。

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