3分でわかるベンチャー企業の成長ステージ別の特徴

一般的に、ベンチャー企業はその成長度合いから「シードステージ」、「アーリーステージ」、「ミドルステージ(エクスパンション)」、「レイターステージ」の4つのステージに分類することができる。
これらのステージ毎に必要な経営資源(ヒト・モノ・カネ)は違うため、新規事業を子会社化してベンャー企業にしたり、ベンチャー企業を創業したりする場合、ステージごとに必要な資源供給について理解しておくことがカギとなる。
本記事では、4つのステージごとに異なるポイントについて解説しよう。
ベンチャー企業の成長ステージ別のポイント
第1段階:シードステージ
シードステージとは創業前の段階である。この状況では、ビジネスモデルやコンセプトは決まっているものの、明確な製品・サービスにはなっていない。
事業活動の核は「事業計画」と「経営チームビルディング」であり、説得力ある事業計画を立てるための研究開発や市場調査、そして最適な経営チーム作りが重要になる。
資金需要はあまり大きくはないが、法人登記にかかる費用や事業計画を具体的に進めていくスタッフの人件費、あるいはプロトタイプの作成費用など、最低限の費用は必要となってくるだろう。
第2段階:アーリーステージ:シリーズA
創業直後の段階である。顧客の認知度が限定的なため、売上・利益は少ないものの、運転資金・設備資金・販売促進費に多くの資金を必要とする段階である。しかしその反面、事業リスクが高い段階にあり、設立間もないことから社会信用度も乏しい。
調達先の候補
そのため、資金を調達したい場合、一般的に銀行などの間接金融による資金調達は困難である
- 自己資金
- 日本政策金融公庫などの政府系金融機関からの借入れ
- エンジェルやベンチャーキャピタルからの投資
こうした形の投資を受ける形になるだろう。本格的な展開を前にして、特許権などの知的所有権の獲得などの本格的な準備活動もこの時期に行われることが多く、特に資金需要の高い時期といえる。
この時期は規模の大きい企業からの受注や、本社がある場合は本社からの資金援助なども視野に入れるなど、柔軟な資金調達を考慮しながら進める必要があるだろう。
第3段階:ミドルステージ(エクスパンション):シリーズB
事業が軌道に乗り始め、さらに本格的に進めていく時期である。サービスの充実や売上を拡大させるために、設備投資の追加や人材のさらなる確保が必要になる。売上が急拡大し、固定費を上回っていくため、利益が出始める。
結果が出ていることから信用も得やすいが、売上の急拡大に伴い、追加の設備投資や人材確保を行うため、必要な資金も急拡大していく。
そのため、更なる資金供給が必要になる時期であろう。この時期になると事業リスクが低減しているため、民間金融機関からの資金調達もしやすくなってくる。また、ベンチャーキャピタルからの投資もより受けやすくなるであろう。
第4段階:レイターステージ:シリーズC
ビジネスモデルや組織が確立し、経営が安定する時期である。フリーキャッシュフローも黒字化し、累積の損失も一掃出来ている状態であり、場合によっては新規上場(IPO)を考え始める時期でもある。資金調達のハードルは下がり、銀行などの金融機関からの融資や株式による調達など、多様化する。
なお、株式の非公開を前提にする場合、民間金融機関からの借入れや複数の銀行から調達するシンジケートローンの実施などが資金調達の要となるだろう。
まとめ
子会社としてベンチャー企業を育成することは、イノベーションのチャンスになるため、特に伝統的な企業であるほど非常に有効であるが、ベンチャー企業の成長ステージにおける必要なポイントを理解し、出口戦略を考慮しつつ実施することが重要である。
また、成長路線の先において、取引先や金融機関に第三者割当増資を行ってIPOを目指すか、非公開のままグループ内の活性化につなげるか、投資を諦めて売却するかなど、何が自社の戦略において最も重要なのか総合的な判断が肝要である。
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