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アンケート調査にはどんな方法がある?種類や進め方を解説

                   
新規事業・商品開発
公開日:2023.03.28更新日:2023年5月30日

新規事業の企画や立ち上げのときに、アンケート調査を用いる場面は多く存在する。

例えば、アイデアの仮説を検証したり、新しいサービスの受け入れ性を調べたりするときには特に有効だ。

自社のアンケート調査を担当することになった方にとって、アンケートの種類や調査の進め方は迷いポイントとなる。

そこで今回は、新規事業開拓の部署に配属された方に向けて、以下の内容を具体的に解説していく。

〈この記事でわかること〉

  • アンケート調査の各手法と特徴
  • アンケート調査の各手法を選ぶ基準
  • アンケート調査の実際の進め方

この記事を読むことで、アンケート調査を進める際に迷うことなく、有効な手段を取り、実行に移すことができる。

ぜひ最後までご覧いただきたい。

目次

アンケート調査とは、定量調査のひとつ

アンケート調査とは、決められた期間の中で、様式化した同一の質問に対する回答を集め、数値化できるデータを調査結果として求める定量調査の手法だ。

例えば、「あなたは『○○は××だと思う』という意見に同意しますか? はいかいいえのどちらかを答えてください」という共通する質問に対する回答を集めて、「全体の何%が同意している」という調査対象の意見や行動などを数量として把握するために行われる調査を指す。

マーケティングリサーチには、アンケート調査を代表とする「定量調査」とインタビューなどを代表とする「定性調査」の2種類がある。

ここからは、それぞれの調査手法の特徴・違いについて紹介する。

定量調査

定量調査とは、数値化できるデータを集める調査方法だ。

「はい」「いいえ」で答えられるような簡単な選択肢から回答を選べる質問項目によって、全体的な傾向を掴む。

質問項目が簡単であるため、比較的短い時間で調査を行えるメリットがある。

定性調査

一方、定性調査とは、個人の考えや感じ方、心理的動向を掴むための調査方法だ。

調査内容に応じて個人の意見を深く掘り下げるような質問項目を準備し、回答にいたるまでの理由や経緯といった詳細についても聞き取ることができる。

定性調査には、一人の対象者から意見を深掘りする「デプスインタビュー」と、座談会や複数人を集めて質問を行なう「グループインタビュー」などがある。

定性調査は、個人の内面に起こっている複雑な感情や、言動には直接現れない内的志向を調査するのに便利な調査手法だ。

座談会や複数人を対象に行う調査では、回答者が気軽に発言しやすいメリットがある。

アンケート調査の種類を決める基準

2種類の調査を使い分けるには「手に入れたい回答の内容」を具体的にイメージすることが重要だ。

回答者の属性を問わず全体の傾向を掴みたい場合や仮説の受け入れ性を検証したい場合には、結果を数値化できる定量調査が適している。

定量調査の調査結果はグラフ化することも可能であるため、一目で全体の回答傾向を把握できる回答結果を集計したい場合には定量調査のほうが扱いやすいといえる。

一方、顧客からの意見を参考に製品を改善したい場合や現状の課題を詳細に把握したい場合には、定性調査が適している。

アンケートの回収方法

ここまで、定量調査と定性調査の違いや、2種類の調査手法を使い分ける際のポイントについて紹介した。

それでは、実際にアンケートを回収する方法として、どのような方法が挙げられるのだろうか。

ここからは、アンケートの回収方法として4つの手法を紹介する。

【アンケート回収4つの手法】

  • インターネット調査
  • 郵送調査
  • 街頭調査
  • 訪問調査

4つのアンケート回収方法について、それぞれくわしく見ていこう。

インターネット調査

インターネットが普及した現代において、インターネット調査は短期間・低予算で調査を実施する方法として多くの場面で用いられる。

インターネット調査の特徴として、幅広い調査対象から回答が得られること、短期間で多くの回答数を獲得できることが挙げられる。

郵送調査

郵送調査は、アンケートを回答者のもとへ郵送し、回答者の都合のいいタイミングで回答してもらうアンケート回収方法だ。

回答者が手の空いているタイミングで回答してもらえるため、質問量が多い場合でも高い回収率で回答を集められるメリットがある。

街頭調査

街頭調査では、多くの人が行き交う駅前や大型ショッピングモールの一角を使ってアンケート調査を行う。

幅広い層から回答を集めることが可能だが、アンケート回答を目的としてその場にいる人から回答を集める形式とは異なるため、回答を多く集めるためには高いコミュニケーション能力が必要だ。

訪問調査

訪問調査では、実際に回答者のもとへ訪問し、直接アンケートに回答してもらう。

訪問調査はその場で回答してもらえることから、郵送調査や街頭調査と比較してアンケート回収率が高く、また、実際に製品を利用している様子や生活の様

子などを目で確認しながらアンケートを行えるメリットがある。

アンケート調査の進め方

ここまで、アンケート調査の回収方法について紹介した。

それでは、実際にアンケート調査を進める際、どのような手順でアンケートを実施するのか。

ここからは、アンケート調査の進め方について紹介する。

【アンケート調査の進め方】

  • 目的とゴールを明確化する
  • アンケートの種類を決める
  • 調査票を作成する
  • アンケートフォームを作成する
  • アンケートを実施する
  • 回答を回収する
  • 回答を集計し、結果をまとめる
  • フィードバックを行う

順を追って、アンケート調査の進め方について確認してほしい。

進め方①目的とゴールを明確化する

アンケートを実施する前に、アンケートを行う目的や、アンケート実施によって達成したいゴールを設定する。

なぜアンケートを行うか、何が明らかになればよいのか、目的とゴールを明確に設定することで、最適な質問内容や調査方法を決めやすくなる。

進め方②アンケートの種類を決める

アンケートの方向性が決まったら、設定したゴールや目的に適した調査手法や質問項目を検討する。

調査手法それぞれの特徴や強みを把握し、どのような手法が最適かを十分に考慮してほしい。

進め方③調査票を作成する

アンケートの土台ができあがったら、実際の調査票を作成する。

ポイントとして質問内容が長すぎると回答者が集中力を維持できず、正確な回答を得られない可能性がある。

必要な内容を取捨選択し、最適な内容にブラッシュアップしてほしい。

進め方④アンケートフォームを作成する

調査票の内容が完成したら、アンケートフォームの作成を行う。

アンケートフォームを作成する際には、どのような媒体が適しているか十分に考えたうえで最適な媒体を選ぼう。

進め方⑤アンケートを実施する

アンケート実施までの準備が整ったら、実際にアンケート調査を実行する。

アンケートの集計方法や回答の収集方法を事前に決めておくことで、スムーズに集計を行える。

進め方⑥回答を回収する

回答結果を回収する際には、回答内容に不備がないか十分に確認してほしい。

また、余裕があればアンケートの感想も聞いておくことで、アンケートの改善点が明確になる。

進め方⑦回答を集計し、結果をまとめる

回答を回収し終わったら、回答結果を集計し、データとしてまとめよう。

定量調査では集計した数値をグラフ化し、視覚的にデータをまとめることで、全体の傾向を掴みやすくなる。

進め方⑧フィードバックを行う

最後に、アンケート結果から得られた内容をもとにアンケート全体を振り返り、事前に設定していた目標を達成できているか確認する。

アンケートによって明らかになったデータを分析し、とくに顕著な傾向が得られた場合には、重要なポイントをしっかりと記録しておきたい。

調査票を作成する際の注意点

ここまで、アンケートを実施する際の具体的な流れについて紹介してきた。

それでは、実際にアンケートを作成する際、どのようなポイントに注意して調査票を作成すればよいのだろうか。

ここからは、調査票を作成する際の注意点について紹介する。

【調査票作成の注意点】

  • 目的やゴールを明確にする
  • 質問の量と長さ
  • 質問の順番
  • 回答者の負担
  • 聞きたいことを1個に絞る
  • 二重否定を避ける
  • 選択肢のモレを防ぐ
  • 選択肢のダブりを防ぐ

目的やゴールを明確にする

上述の「アンケート調査の進め方」に記載した内容だが、必ず、なぜアンケート調査を行なうのか最初に明確にしよう。

何を明らかにしたいのか、何が得られれば良いのかということを決めておかなければ、意図が不明瞭な質問が生まれ、分析に活かせない回答が集まってしまい、結果的にアンケート調査が意味を成さなくなる。

質問の量と長さ

質問が長すぎたり内容が複雑すぎたりすると、回答者の意欲を損ない、十分な回答率が得られない恐れがある。

アンケートの目的や達成すべき目標に応じて、質問内容を適切な分量に調整してほしい。

質問の順番

質問の順番を考える際には、まず答えやすい内容から質問項目に並べておくと、回答者はスムーズにアンケートに答えられる。

また、関連性の高い質問項目を近くに配置すれば、回答者は質問の因果関係を理解でき、より具体的な回答を得られるだろう。

回答者の負担

回答者がアンケートで感じる負担やストレスを考慮することも、調査票を作成するうえで重要なポイントだ。

上述の通り、質問の量と長さが適当かどうかに加え、質問文がわかりにくいものや、回答しにくい質問も負担やストレスに繋がる。

調査票を作成し終えたら、まずは回答者の視点で調査票を見直し、過度な負担を感じる内容でないかをしっかり確認してほしい。

聞きたいことを1個に絞る

例えば、「デジタルに関する認知度を知りたい」という意図で、「あなたはIoTやDXを知っていますか?」という質問と、「はい」か「いいえ」の二択の回答を設けたとする。

この質問に対する回答は、「IoTは知っているが、DXは知らない」あるいは「IoTは知らないが、DXは知っている」というパターンが起こり得る。その場合、「はい」か「いいえ」の二者択一で回答ができなくなる。

こうした質問のことを「ダブルバーレル質問」と呼ぶ。

また、「あなたは情報収集のために、毎日SNSを利用しますか?」という質問は、「情報収集を目的としているか否か」、「毎日か否か」、「SNSを使っているか否か」という3つの質問が入っているトリプルバーレル質問とも言われる。

アンケート調査を行うとき、先入観や常識でこうした質問を行ってしまうことがあるので、注意してほしい。

二重否定を避ける

例えば、「サステナビリティに取り組まない企業にネガティブな印象を抱かないですか?」という質問に対して、「はい」と答えた場合を考えてみる。

  • 「はい、サステナビリティに取り組まない企業にネガティブな印象を抱きます」
  • 「はい、サステナビリティに取り組まない企業にネガティブな印象を抱かないです」

という全く逆の意味の回答が集まってしまう。

こうした「~~しないとは思わない」といった二重否定の質問は、内容が読み取りにくい質問となる。

したがって、この例題の質問が『サステナビリティな取り組みを行わない企業は、ネガティブな印象を持たれるか否か』を聞きたいのであれば、「あなたはサステナビリティに取り組まない企業に対して、ネガティブな印象を抱きますか?」という質問にして、「はい、ネガティブな印象を抱きます」「いいえ、ネガティブな印象は抱きません」という回答を設けると良い。

選択肢のモレを防ぐ

例えば、「あなたの年齢を答えてください」という質問に対して、次のような選択肢が回答にあったとする。

  • 20代
  • 30代
  • 40代
  • 50代

もし、回答者が10代であればどこにも回答できず、60歳以上の対象も同様に回答ができない質問となっている。

したがって、この質問が全年齢に対して行うものであれば「10代未満」や「10代」、「それ以上」などの回答を設けるべきだ。

また、予め回答者に対するスクリーニングを掛けて、「20歳から59歳までを対象に行う」というように制限を掛けるのであれば、モレのない回答として上述の選択肢は機能する。

選択肢のダブりを防ぐ

例えば、先ほどと同じく「あなたの年齢を教えてください」という質問に対して、次のような選択肢が回答にあったとする。

  • 20~30歳
  • 30~40歳
  • 40~50歳
  • 50~60歳

もし、回答者が30歳ちょうどであった場合、「20~30歳」「30~40歳」のどちらに回答をすればいいのか判断できなくなる。

この質問の場合は、ダブリを防ぐために「20~29歳」「30~39歳」というようにダブりを防ぐような回答を設けると良い。

調査方法の種類は手に入れたい回答内容に応じたものを

アンケート調査では、手に入れたい回答内容や回答の種類に応じて、調査手法や回収方法を精査するとよい。

全体の傾向を掴みたい場合には定量調査、個人の意見を詳細に把握したい場合には定性調査が適している。

また、回収方法については、回答の“量”を重視するならインターネット調査や郵送調査、直接コミュニケーションをとることによる“質”を重視するなら街頭調査や訪問調査がある。

アンケートの目的や目標を明確にし、調査内容や目的に応じて最適な調査手法を選びたいところだ。

 

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この記事の監修者

監修者の写真

株式会社フィンチジャパン 代表取締役

高橋 広嗣

早稲田大学大学院を修了。
野村総合研究所経営コンサルティング部入社。
経営戦略・事業戦略立案に関するコンサルティングを実施。
2006年に当社を創業し現在に至る。
以来、一貫して事業開発プロジェクトとスタートアップ投資を行っている。
対外活動も積極的に行っており、顧客満足を科学した結果を発表したり、宣伝会議講座では事業開発の講義も実施している。

出版

半径3メートルの「行動観察」から大ヒットを生む方法

PR Times記事

https://prtimes.jp/main/html/searchrlp/company_id/53478>

ZUU online記事

https://zuuonline.com/authors/d7013a35

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