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ARとは?大手企業のAR活用事例から学ぶAR技術の事業への活かし方

                   
AR・VR
公開日:2019.08.05更新日:2022年11月17日

様々な技術が登場し、様々な事業やサービスが誕生している。ARもポケモンGOの登場により爆発的に注目を集めるようになった。そこで今回の記事ではARとは何かを他の類似技術と比較しながら紹介し、実際にARを導入している企業事例から学べる事業への活用方法を紹介する。

新規事業の立ち上げに関する内容は以下の記事でも詳しく解説している。
興味のある方はこちらもぜひご一読してほしい。
新規事業の立ち上げ方とは

AR(拡張現実)とはなにか?

AR(Augumented Reality)の日本語訳は「拡張現実」と言われ、その言葉が示すとおりARは、現実世界の情報に仮想世界の情報を追加するなどして、現実を拡張する技術や方法のことである。端的に言えばスマートフォンに映る現実の中に、仮想のオブジェクトを表示することだ。

ARの代表例:ポケモンGO

身近な例としては、ポケモンGOが挙げられる。ある特定の場所に行き、ポケモンGOのアプリを開いた状態でスマートフォンをかざすと、カメラが写す現実にポケモンが現れる。ユーザーはポケモンの世界観をそのまま現実世界で体感ような感覚を得ることができる。

レアなポケモンをゲットするためにどこにでもいくファンの心理を利用して、自社の店舗を訪問すれば、ポケモンをゲットできるようにするなど、集客を目的にポケモンGOを活用する自治体や企業も現れた。

このように、AR技術に関連したプロモーションやAR技術そのものを利用したプロモーションなど、事業におけるARへの期待は高まっており、今後も益々活況を帯びると予測される。

ARとVRの違いは現実と仮想のどちらが主体になっているか

ポケモンGO はAR(拡張現実)を活用した事例だが、近似の技術としてVRがある。

VR(Virtual Reality) とは、「仮想現実」という言葉が示す通り、創り上げた仮想世界をユーザーに提供する技術や方法である。例えばディズニーランドのような遊園地を仮想世界として作り上げ、ヘッドマウントディスプレイを使うことなどによってその世界を体験するようにすることなどがその例にあたる。

AR(拡張現実)との違いは、現実世界をベースに拡張したARと異なり、VRは仮想世界が主体となっていることである。結果的に同じような内容になる場合もあるが、創りあげた仮想世界をユーザーに提供するVRとユーザー自身の存在する現実世界を拡張するARとでは本質的に異なるものということができるだろう。

MRとはARとVRの上位概念

また、最近はMRという技術も存在する。

MR(Mixed Reality)は現実世界と拡張世界を複合させて、新しい世界を構築する技術や方法のことである。「複合現実」とも呼ばれており、拡張した現実世界と仮想世界が相互に影響しあい、新しい現実を再現する。

これはARやVRの要素を両方含んでいるため、ARやVRとの違いというよりはそれらをより多く含んだより上位の概念ということができるだろう。

AR(拡張現実)のビジネスへの活用事例

それではARを活用した事例にどのようなものがあるのか実際に見てみよう。

IKEAの事例:自宅での家具設置をシミュレーション

家具の製造・販売を行うIKEAは、実際の自宅やオフィスにIKEA製の家具を仮想的に設置できるARアプリ「IKEA Store」を提供している。はじめにIKEA Storeアプリを開き、自宅やオフィスの床面をスキャンする。IKEAの家具をリストの中から選び、家具を配置したい場所に設置する。これだけの簡単な操作で、家具の設置状態をシミュレーションできるのだ。

小松製作所の事例:建築の進行状況をシミュレーション

コマツ(小松製作所)は、自社の提供するICTソリューションである「スマートコンストラクション」プロジェクトの一環として、GoogleのARプラットフォーム「Tango」を活用したスマホアプリを面白法人カヤックと共同開発している。建築の施工現場に対して完成地形を照らし合わせることで、施工の進捗状況を確認できる。さらに、施工現場に実寸大のダンプカーやショベルカーを再現し、その場所に配置できるか、ダンプカーが通過できるかなどをシミュレーションすることもできる。

参考資料:コマツとカヤック、AR技術「Tango」活用 建設現場向けアプリを開発中

アリババの事例:商品使用イメージの確認や販促プロモーション

中国インターネットモール最大手のアリババは、これまでもVRを利用したショッピングサービス「VR BUY+」などを推進してきたが、「AR BUY+」というARを使用したショッピングサービスの展開を始めた。具体的には商品使用後のイメージをARでシミュレーションできたり、IKEA同様に家具の配置イメージを確認できたりする。また単にシミュレーションする機能だけではなく、紅包(中国のお年玉)をリアルな空間に置き、それを探せるゲームを提供することで、紅包が好きな中国人にARの利用を一気に拡大させた。

参考資料:ARを活用したショッピング時代到来の予感 ARとオフライン店舗は抜群のコンビネーション、AR爆発的拡大前夜?

まとめ:いかにARを自社で取り入れるか

上記事例のように、大企業によるAR活用は徐々に増え始めているが、傾向としてはVRよりもARの方が多い傾向にある。

その理由は、ARの方がユーザーによってそれぞれ異なる状況を作り出すことができるためゲーミフィケーション性が強いことにある。現時点ではARの認知りや利用経験者を増やすフェーズにあるため、ゲーミフィケーション性が強いプロモーションにおいては、ARの方が向いているという点が考えられる。ただし今後はVR上にアバターを登場させてコミュニケーションする機能が普及していくため、よりインタラクティブ性の高いVRサービスも登場してくるだろう。

また、一般企業のAR技術の活用事例に着目すると、事例を見る限り、購入前のシミュレーションに使われていることが多い。ARの提供が検索→購入のコンバージョンにどれだけ寄与できるか定量的に掴むことができれば、ARの投資はさらに加速するだろう。またARの特性上、商品と現実世界を組み合わせてプロモーションやシミュレーションできるので、コンバージョンとの相性も良い。家具や電化製品、インテリアなどを提供している企業ではARの利用が適している。一方、購入頻度が低い住宅では高精細なVRによって、消費者に新しい価値を提供できるため、VRを活用した住宅展示場の利用が進むだろう。

ARを開発できる環境を導入するハードルは下がってきている。ARの導入検討タイミングとしては今が旬だと言える。認知拡大のプロモーションで使うことも良いが、有効性を定量的に把握できる、購買前のコンバージョンで活用するのが良いと考えられる。

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この記事の監修者

監修者の写真

株式会社フィンチジャパン 代表取締役

高橋 広嗣

早稲田大学大学院を修了。
野村総合研究所経営コンサルティング部入社。
経営戦略・事業戦略立案に関するコンサルティングを実施。
2006年に当社を創業し現在に至る。
以来、一貫して事業開発プロジェクトとスタートアップ投資を行っている。
対外活動も積極的に行っており、顧客満足を科学した結果を発表したり、宣伝会議講座では事業開発の講義も実施している。

出版

半径3メートルの「行動観察」から大ヒットを生む方法

PR Times記事

https://prtimes.jp/main/html/searchrlp/company_id/53478>

ZUU online記事

https://zuuonline.com/authors/d7013a35

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