コンテンツマーケティングとSEOライティングの違い、その適切な利用の在り方とは
公開日:2018.02.28更新日:2023年4月20日
今日ではコンテンツマーケティングやSEOライティングに注力している企業は少なくないだろう。しかし、結果的に適切な情報発信が行われず十分な効果が得られないケースも少なくないはずだ。ここではコンテンツマーケティングとSEOライティングとの違い、その適切な利用について説明し、WEBでの情報発信がどうあるべきかを紹介する。
SEOライティングとは
SEOライティングとは、SEO対策に重点を置いてコンテンツの最適化を図り、検索上位となれるようにページを作ることだ。表現を変えると、それはコンテンツが検索エンジンから適切に認識され正しく評価されるためのコンテンツ作りであり、技術といえる。
WEBサイト経由で商品の販売などに繋げるには潜在顧客をそのサイトへまず誘導させることが必要だが、そのためにはGoogleなどで検索上位になることが求められる。検索上位になるにはGoogleアルゴリズムに対応したコンテンツ作りが必要で、それがSEOライティングである。
従ってSEOライティングの考えに沿わないコンテンツは検索エンジンに評価されず、検索順位も上がらず潜在顧客の誘導ができなくなってしまうのだ。
SEOライティングの問題
SEOライティングでコンテンツを制作しても収益に結び付かないこともある。ここではそれに関連するSEOライティングの問題点を紹介する。
検索しない人は対象外
SEOライティングは特定の情報を求める潜在顧客の誘導には有効だが、情報を探していない人などには意味がない。従って、そうした人達にはSNSなどからの誘導といったSEO以外の対応が必要になる。
集客=収益 とは限らない
SEOライティングで検索上位に入り潜在顧客の集客に成功してもそれが売上に直結するとは限らない。そのため、訪問者を見込み客としさらに常連客へと促すようなSEOライティング対象外の仕組みも必要になる。
長文化や記事の多数化の誤解
Googleで検索上位に表示されるには長文化や記事の多数化も有効だ。しかし、それは専門的な知識や情報などユーザーに役立つ情報が多くあることが前提となっている。つまり、大量の情報を投入してもそれがユーザーに役立たないものなら評価されず検索上位に表示される可能性は低い。
SEOライティングには以上のような問題があるが、それをカバーしてくれるのがコンテンツマーケティングであり、その適切な運用が肝となる。
コンテンツマーケティングとは
米国のジョー・ピュリッジ氏の定義を基にすると、コンテンツマーケティングは次のように表現できる。
「優良なコンテンツの制作や配信でユーザーを引き寄せ、彼らとの関係を構築・維持して収益に結び付けるための仕組み」
つまり、コンテンツマーケティングはSEOライティングのように検索上位になれるコンテンツ作りだけでなく、優良なコンテンツを提供することでユーザーの信頼を得て、結果的にユーザーを購買行動へと促す一連の仕組みなのだ。
そして、その仕組みは、以下のように「認知」 「興味や関心」 「信頼構築や購買」 「継続」などの機能・段階で構成されている。
- 認知:ブログなどのコンテンツの制作と配信により潜在顧客を集客すること
- 興味や関心:メードアドレスの獲得、メルマガ登録などを促し見込み客との関係を作り、興味を引き出すこと
- 信頼構築や購買:見込み客へ個別に送信するステップメールなどで信頼関係を深め購買へと促すこと
- 継続:定期・不定期のメルマガなどで最新情報を提供し購買・再購買を促し常連客化を図ること
以上の機能・段階で適切な手段が実施されると、潜在顧客の集客→見込客との関係づくり→購入・利用→継続利用 といった流れが生み出され、収益がアップできるわけだ。
コンテンツマーケティングとSEOライティングの違い
ユーザーが必要とするコンテンツを提供という点で両者は同じだが、SEOライティングの場合は検索上位となるコンテンツの提供だけにとどまる。つまり、SEOライティングはコンテンツマーケティングの「認知」の機能を担うその一部と考えたらよいだろう。
収益へと結びつけるには認知後の対応も欠かせない。検索上位のサイトを訪問したユーザーがページの商品やサービスに興味をもち、さらに詳しい情報が欲しいと考えることも少ないはずだ。そうした見込客に購入の検討に役立つ資料や情報を適切に提供すれば、信頼関係が築かれ購入へと促すこともできる。
こうしたサイトへの誘導から購買、関係の維持・強化、常連客化までの対応を行うのがコンテンツマーケティングである。
WEBでの情報発信はどうあるべきか
企業がWEB経由で情報発信しそれで収益の向上を目指す場合、適切なコンテンツマーケティングの展開が必要だ。
コンテンツマーケティングでは先にあげた4つの機能・段階にもとづいて良質な施策を立案し適切に実施することが求められる。
実施するにあたっては、集客、ファンづくり、コンバージョントリガーをコンテンツに盛り込むことがポイントとなる。以下で各段階のポイントを見てみよう。
1.集客は適切なSEOライティングで対応
集客のためにはSEO対策を十分施した適切なSEOライティングが必要となる。コンテンツ内容はもちろんのこと、対策キーワード、ボリュームの充実、目次、画像・動画の挿入、HTMLタグの利用、タイトルの最適化、ディスクリプションの最適化などのキー要素の取り込みが重要だ。
2.ファンづくり
ファンづくりとは集客した見込客に頻繁にサイトへ訪れてもらう、商品やサービスを購入してもらう、そしてリピーターとなってもらうための行為だ。
- ユーザーに役立つさまざまな情報や資料を提供
- 質問や相談に迅速に応える
- 個別のニーズに合わせた提案を行う
- 特別優待する
こうした施策がファンづくりにあたって役立つだろう。
3.コンバージョントリガーの設定
コンバージョンとはWebサイトでの目標達成を意味する。
- 問い合わせ
- 資料請求
- メルマガ登録
- ホワイトペーパーダウンロード
- 購入
こうしたものがコンバージョンにあたる。ユーザーがWEBサイト上のコンテンツに満足した場合、これらコンバージョンに至る可能性が高い。
コンバージョンを測定して改善するにあたり、「どの情報がトリガーとしてユーザーに行動を促しているのか」という点の確認が重要になる。説明資料、仕様書、価格表など、何がトリガーとしてコンバージョンをもたらすのかを見極め、それを効果的に記事へ盛り込むことが目標達成には欠かせないだろう。
まとめ
ここ数年でコンテンツマーケティングは飛躍的な普及をしたが、SEOライティングとの混同や不十分な理解による利用などのケースは少なくない。例えば、自然検索で上位表示を獲得するために大量の記事を一気に投入するような戦略などもみられる。
しかし、ボリュームがあっても内容の薄かったり、ユーザーに役立たない情報は検索エンジンには評価されない。また、ユーザーを取り込む仕組みがなければ、良い記事でも収益に結び付きにくいだろう。
こうした徒労を回避するためにはコンテンツマーケティングやSEOライティングを正しく理解して適切に実行することが求められる。
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この記事の監修者
株式会社フィンチジャパン 代表取締役
早稲田大学大学院を修了。
野村総合研究所経営コンサルティング部入社。
経営戦略・事業戦略立案に関するコンサルティングを実施。
2006年に当社を創業し現在に至る。
以来、一貫して事業開発プロジェクトとスタートアップ投資を行っている。
対外活動も積極的に行っており、顧客満足を科学した結果を発表したり、宣伝会議講座では事業開発の講義も実施している。
出版
PR Times記事
『https://prtimes.jp/main/html/searchrlp/company_id/53478>』
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