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【対談記事】第16回:直感 vs データ ── AIの「正解」に抗い、プロンプトを直感で打つ理由

                   
最先端 業界インタビュー
公開日:2026.03.09更新日:2026年3月10日

本記事は、フィンチジャパン代表の高橋とひげおぢ、柴田によるポッドキャスト『デジどうラジオ』第16回の対談記事です

本対談では、「直感 vs データ」という二項対立をテーマに、AIが正解を導き出し人間のセンスを数字が凌駕しつつある2026年において、私たちがどう抗い、共生していくべきかを深掘りしています 。柴田さんがGeminiを駆使して作成したオープニングトークの劇的な進化を軸に、AIを単なる「作業代行」や「壁打ち相手」に留めず、自らのスキルアップや行動変容を引き出すための「切磋琢磨のパートナー」として活用する新たな可能性を提示しています

実際の録音データをAIに戻してPDCAを回す試みや、AIに「落語」のセンスを求めるなど、直感ベースのプロンプトを通じてAIとの共同作業を深化させていく 。AIという鏡を通じて自分自身をアップデートし続ける、新時代のビジネススキルの磨き方が語られています。

オープニング─AIが選んだテーマで3分間トーク

フィンチ柴田:皆さんこんばんは。デジどうラジオ、スタートしました。いや、実は今日、放送前にスタッフともめたんですが、いろいろちょっと詰められまして。「次何しゃべるんだ」って? いやもう、僕考えるのやめました。今日のテーマ、AIに選んでもらったんです。すごくないですか? 番組の心臓部である企画すら、AIに丸投げ。

これ、僕がサボってるわけじゃないですよ。AIの方が僕よりリスナーが喜ぶ正解を知ってるんじゃないかという、データ信仰ってやつです。でもこれを選んだ瞬間に僕の中で何かが「いや、それでいいのか」と叫んだわけです。というわけで今日はこれです。

「直感 vs データ─生き残るのはどっちだ? 最終決戦スペシャル」という企画です。

さて、なぜAIがこのテーマを選んだのか。最新のニュースを見るとその理由がわかります。サイバーエージェントの予測AI─今や広告の世界では、AIがどの画像が当たるかを出稿前に予測しちゃいます。ベテランが「こっちが心に響く」と言っても、データが「いや、こっちの方が0.5%クリックされます」と言えばデータが勝つ。2026年、ついに人間のセンスが数字に凌駕される時代が来ました。

HubSpotの2026年営業意識調査です。先日発表された最新調査では、なんと買い手の55%が最終的な購入の意思決定にAIが影響したと答えています。売る側だけじゃない、買う側もAIのデータで判断してるんです。でも面白いのはここからで、同じ調査で「営業に求められる価値はAIにはない対話の質だ」とも答えているんですよね。

ひげおぢ:そりゃそうだ。

フィンチ柴田:AIの正解に従えば勝てる。でも自分の直感を捨てたら、僕たちはただのインターフェースになってしまうんじゃないか。そんな危機感が現場に渦巻いております。

というわけで、今日はこの「AIの正解にどう抗うか」を考えていきます。まずはひげおぢさん。AIが「この新人を採用しろ」というデータを出して、現場の人間が「いや、こいつはやめておけよ」となった時、どっちの未来にかけますか?

ひげおぢ:やめます(笑)。

フィンチ柴田:現場の直感の一択ですね(笑)。高橋さん、AIが一番売れる正解を教えてくれる時代に、あえて非効率な直感で動くことの面白さってどこにありますか?

フィンチ高橋:やっぱりロマンでしょう。そこにはロマンがあるよね。AIにロマンがわかってたまるか(笑)。

フィンチ柴田:データの波に飲み込まれつつも、直感の波に乗るってことですね。

振り返り─前回からの劇的進化

ひげおぢ:ということで、毎回恒例になってきた柴田さんのアイスブレイクですが、素晴らしかったですね。改めて今日も高橋さん、柴田さんとお送りします。高橋さん、柴田さんだいぶ良くなったんですけど、次のオープニングトークで生成AIに入れてほしいプロンプトのリクエストがあるんですけど…落語の要素を入れて欲しいんです。

フィンチ柴田:落語!

フィンチ高橋:やっぱりそのセンスがが大事だと思う。そこが生成AIには出せない。

ひげおぢ:声質聴いてるとね、落語っぽいんですよ。だから落語に寄せていくともっとハマるんじゃないかと思ったんで、ひげおぢからも柴田さんにお願いがあります。次回のオープニングトークは、ラジオっぽさから寄席の冒頭─新宿末広亭にいるイメージで組み立ててもらうと、より柴田さんの声がハマるかなと。

フィンチ高橋:いやあ、でもね、前回と比べると正直、棒読み感があるのは否めない。だからこの棒読みをどう解消していくかは、ひげおぢに聞きたいんだけど、前回と一番違うのは何か「巻き込む感じ」。対話させていく感じは確実に台本通り読んでいるにもかかわらず、全然違う。

ひげおぢ:そうなんですよね。

フィンチ高橋:これすごいよね。

ひげおぢ:もしも僕が今日の台本でAIに言うとしたら、もうちょっと掛け合を冒頭に入れるようにしますね。

フィンチ高橋:最後じゃなくて?

ひげおぢ:冒頭から入れる。たとえば「2秒空けてリスナーの反応を待つ」っていう指示を入れて、そこに我々が合いの手で入ってこられるようにしないといけないんですよ、本当は。そういうところを修正すると、より良いオープニングのスクリプトになるかなと。また次回が楽しみですね。

高橋:前回のどん底からすると劇的な進歩だよね。

ひげおぢ:劇的に全然違いますよね。

プロンプトの修正で感じた実感─Geminiの意外なポテンシャル

フィンチ高橋:実際柴田さんどうだったの? 前回と今回で自分でプロンプトを修正しながら台本読んだじゃない。感触としては?

フィンチ柴田:全然違うなっていうのが正直な感想で。Geminiってそもそも素の状態だと日本語が硬いんですよ。普通にインプットしてアウトプットさせると、教科書みたいな台本が出てくる。それはGPTとかでも実はあると思ってたんですけど、プロンプト次第でこれだけ自然なものが出てくるっていうのはちょっと発見でした。

ひげおぢ:なるほど。今日は「直感 vs データ」っていう立て付けを柴田さんの裏で動いている放送作家Geminiとして考えてきたんですけど、もう一つ何か違うその「何か」があるから人間らしさっていうか、それって何だろうっていうところも考えられるんじゃないかなと。

直感とデータの棲み分け─プロンプトは直感で打て

フィンチ高橋:前回、まさにGeminiで真面目なアイスブレイクを柴田さんが作ってきて、やっぱりイマイチだった。そこに「オールナイトニッポン風にして」って加えて、今日やったじゃないですか。確かに違った。でもそこでひげおぢはまだ満足せずに「落語のテイストを入れてよ」と追加した。こういう「何を加えたら新しくなるのか」っていうところは、やっぱりまだまだ人間がやることあるんじゃない?

ひげおぢ:そうなんですよ。これはデータじゃないわけですよ。直感なんです。HubSpotの調査でも「AIにないことを人間に望む」って書いてあった通りのことだと思うんで。ただ、データの話で言うと、今回の柴田さんの台本はちょっとわかりやすい二項対立を狙ってるよねっていう気はするんですよね。

フィンチ高橋:企画としてね。

ひげおぢ:たとえばデジどうラジオを「何分にすればいいか」「何曜日に出せばいいか」「タイトルはどうすればいいか」っていうのは、ひょっとしたら僕の直感よりも生成AIのデータベースの方が勝つ可能性がある。

フィンチ柴田:それは確かに。

ひげおぢ:実際、前回の編集会議で柴田さんがつけたタイトル「AIが人の仕事を奪うとしたら」だっけ。あれでリスナーが増えたっていうのは、僕の企画力じゃなくてデータの力で、みんなの関心事にヒットしたっていうことですよね。

フィンチ高橋:そういうことだよね。

ひげおぢ:そういうところは直感ではなく、AIが導き出したテーマの方がいいんじゃないか。綺麗な言葉で言うと棲み分けをするのがハッピーなんじゃないかと。

フィンチ高橋:それってさ、たとえば数十年前の野球は結構直感─経験と勘が大事だと言われてた。その後、野村監督がデータ野球・ID野球を始めて、今やデータを見ながらプレーするのが当たり前になった。だからこそ大谷翔平の二刀流にロマンを感じるわけじゃない。やっぱり振り子のように揺れ続けているのかもしれないね。

ひげおぢ:バントの話で言うと、バントは得点期待値を下げるっていうのは、栗山監督でさえ大学院(編集注:客員教授)時代の研究で出した結論だったと記憶してるんですが、やっぱり日本野球だと「2塁に送っておけば安心だ」っていうプレッシャーの感覚が、実際の得点期待値よりも上回っちゃう。セオリーではバントしないのが正解なのに、やっぱりバントするっていうのがある。

一方で、今は逆に「2番に強打者を置いた方がいい」っていうのがデータで出てきた。だから大谷翔平は必ず1番・2番・3番のどこかに入る。昔は最強バッターは4番だったのに、今はデータ分析で3番や2番の方がいいってわかってきた。感性の世界にデータが入ってきて、また感性に戻るっていうサイクルがある。

AIを「壁打ち相手」から「行動変容のパートナー」へ

フィンチ高橋:少し話が変わるけどね。冒頭で柴田さんがオールナイトニッポン風のアイスブレイクをやったじゃない。多くのユーザーって、生成AIを壁打ちの相手にして悩みを言ったり、調べたいものをまとめてもらったり、自分の作業代行として使うケースが多いんだけど、今回柴田さんは「AIに言われた通りに喋ってみて、リスナーや我々からの反応を見る」っていうことをやった。それで「あ、このやり方は良かったんだ」「じゃあもっと変えてみよう」って行動変容したりスキルアップする形で生成AIが使えるということを示してるなと思って。

これでコミュニケーションが苦手だった柴田さんが半年後に流暢に喋って、下手したらひげおぢもいらない、高橋さんなんかもいらないって─「AIと僕だけでいいです」ってなってきたらね。それは本当にスキルアップだよね。

ひげおぢ:それはすごい。そうなってほしいなと思います。

フィンチ高橋:人間のスキルを高めていくための相手としてデジタル同僚がいるとしたら、まさに切磋琢磨してるような状況になってるよね。

次のステップ─録音データでPDCAを回せ

ひげおぢ:もう一つ柴田さんにやってほしいのが、毎回録音データをアップしてるわけだから、その録音データをAIに戻してほしいんですよ。

フィンチ高橋:逆評価させるってこと?

ひげおぢ:そう。AIとの間でPDCAを回してほしい。

フィンチ高橋:何が良くて何が悪いかを。

ひげおぢ:たとえば高橋さんと僕が番組の中でこう言ってた、それは本当にそうなのかっていうのをプロンプトで聞いちゃうわけです。

フィンチ高橋:Geminiから「高橋さんの話のここはちょっと長かったよね」とか言われたりして(笑)。

ひげおぢ:実は我々偉そうなこと言ってるけど、実は番組の足を引っ張ってるっていう分析が出るかもしれない(笑)。なので次回のリクエストは2つ。一つは落語テイストのオープニング。もう一つは必ず放送データをGeminiに戻して、そのフィードバックを元に反省する。来月ぐらいには落語家に弟子入りするかどうかの判定も、AIと話しながら決めていきましょう。

フィンチ高橋:オールナイトニッポンやってみたり、落語やってみたり。色々試行錯誤していくと。

ひげおぢ:素晴らしい。

本番環境としてのポッドキャスト─AIで人は変われるか

ひげおぢ:即興ながら、ここでやってることって結構他にないよね。つまりAIを壁打ちに使っている人は大体プロンプトを投げて終わりでしょう。聴いてる方にも聞きたいけど、「じゃああなた、生成AIを具体的にお仕事に活用してますか? 実際に効果ありましたか?」って聞かれたら、言えない人が多いと思う。

まさに今、柴田さんを生け贄にして人体実験をしているところなので(笑)、これがうまくいったら非常に素晴らしいことですよ。

フィンチ高橋:やっぱりコミュニケーションスキルを上げるためには、AIと壁打ちして頭の中で会話するだけじゃなくて、ラジオ番組の中で3分間リスナーに聴いてもらうっていうシーンがあることによって、まさにスキルを試す場ができてるってことだもんね。

ひげおぢ:僕も以前のデジどうラジオで言ったんですけど、柴田さんが営業の本番環境ってなくなっていくんじゃないかと。でも形を変えて、この3分間が営業トークの本番だっていう建て付けにしちゃえばいい。まさに柴田さんがやっていることなんで、これをどんどん続けていったら、本当にガラッと変わると思います。

フィンチ高橋:なんかね、このラジオ番組、ちょっと役に立ってきてる気がしてきた(笑)。

ひげおぢ:当初は読書会だったんですけど、ついに役に立つポッドキャストになるわけですね。夢は、柴田さんがちゃんとパーソナリティとして卒業したら、今度はまた第2の「本番環境がほしい人」が来て、柴田さんは構成作家として入って、その人が生成AIと一緒に同じように自分の苦手なことを広げる世界を作っていく。そうなったらすごくいいですよね。

フィンチ高橋:いいと思う。自分の自己表現の足りなさ、コミュニケーションなのかプレゼンテーションなのかわからないけど、そういったものをAIに相談するんじゃなくて、一緒に話し合って結果をアウトプットしていく。まさにAIとの共同作業を自分でやっていくっていうことだよね。壁打ちして言いっぱなしで終わりじゃない。良い話じゃないですか(笑)。

柴田さんの締め─プロンプトは直感で打て

ひげおぢ:最後に柴田さん、今日の感想を一言お願いします。

フィンチ柴田:はい。今回「直感 vs データ」という二項対立で出したんですけど、やっぱり直感ベースでプロンプトを打つのが、もしかしたら正解だったなというのがまず一つ。皆さんプロンプトを打つ時、どうしても機械に聞くように「リサーチしてください」「分析してください」ってやるんだけど、もっと直感ベースでインプットして、アウトプットとの相互関係を作るのが理想だなと。

もう一つは、今回Geminiがどこまでやれるかっていう実験でもあったんですが、Geminiってここまで壁打ちできるツールだったのかという衝撃がありました。ChatGPTはチャットが前提、GrokはXのレスバトルが前提なのでわりと対話に向いてるイメージがあったんですけど、Geminiって教科書っぽいという印象しかなかった。ここまでできるのかというポテンシャルを発見したのが今日の大きな収穫です。

ひげおぢ:柴田さんの放送作家としての力はこれからどんどんパワーアップしていく可能性がある。また次回、高橋さん、次回のオープニングも楽しみですね。

フィンチ高橋:いや、楽しみですね。

ひげおぢ:リスナーの皆さんもぜひ楽しみに待っていてください。ということで、今日のデジどうラジオは以上です。高橋さん、柴田さん、ありがとうございました。

フィンチ柴田:ありがとうございました。

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この記事の監修者

監修者の写真

株式会社フィンチジャパン 代表取締役

高橋 広嗣

早稲田大学大学院を修了。
野村総合研究所経営コンサルティング部入社。
経営戦略・事業戦略立案に関するコンサルティングを実施。
2006年に当社を創業し現在に至る。
以来、一貫して事業開発プロジェクトとスタートアップ投資を行っている。
対外活動も積極的に行っており、顧客満足を科学した結果を発表したり、宣伝会議講座では事業開発の講義も実施している。

出版

半径3メートルの「行動観察」から大ヒットを生む方法

PR Times記事

https://prtimes.jp/main/html/searchrlp/company_id/53478>

ZUU online記事

https://zuuonline.com/authors/d7013a35

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