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AIエージェント導入で成果を出すには?活用事例と失敗しない導入ステップを解説

                   
事業開発
公開日:2025.06.09更新日:2025年6月9日

はじめに:なぜ今、AIエージェントが注目されるのか?

生成AIとの違いと進化の背景

ChatGPTをはじめとする生成AIの登場により、業務の一部をAIが担う時代が一気に加速しました。従来は情報検索や文章生成に限定されていたAIの役割が、今では「行動するAI」――つまりAIエージェントとして、自律的にタスクを実行し、複数のシステムを横断的に操作する存在へと進化しています。

生成AIが単発的なアウトプットを得る「ツール」だったのに対し、AIエージェントは「目的を理解し、自律的に動く存在」である点が大きな違いです。複雑な業務の中で、思考・判断・実行を一貫して担える点が、次なる変革のカギとされています。

なぜ「業務改革の担い手」として注目されているのか?

多くの企業が直面している課題――人材不足、業務の属人化、リモートワークの定着――に対して、AIエージェントは具体的な解決策として注目されています。

特に、

  • 複数ツールの横断操作(例:Slack+Google Calendar+Salesforceの連携)
  • 社内問い合わせ対応の自動化
  • データ入力や報告書作成の自動実行

など、「人が手を動かしていた業務」を、AIが肩代わりすることで、業務の標準化・効率化・スピードアップが実現されつつあります。

また、導入にあたり「生成AIと異なり、社内システムに合わせて設計できる柔軟性」も、企業の業務部門・情報システム部門から高く評価されています。

AIエージェントとは?ビジネス現場での役割と仕組み

AIエージェントの基本構造とタイプ

AIエージェントとは、ユーザーの指示や目的に応じて、状況を判断し、自律的にアクションを実行する「エージェント型AI」です。従来のAIが“問いに答える”存在だったのに対し、AIエージェントは“目的を理解し、自ら動く”存在です。

その構造は大きく以下のような要素で成り立っています:

  • 知覚(Perception):ユーザーや環境からの情報を受け取る
  • 判断(Decision-making):与えられた目的に対し、最適な行動を選択する
  • 行動(Action):アプリやシステムと連携して実際の業務を遂行する

また、AIエージェントはその性質によって、以下のように分類されます:

タイプ 特徴
反射型エージェント 決められたルールに従い即座に反応する(例:定型のチャット対応)
目標ベースエージェント 最終的なゴールを意識しながら判断・実行する(例:リード獲得のためのメール配信最適化)
学習型エージェント 過去の経験から行動を改善する(例:問い合わせ対応のパターンを学習し精度向上)

これらのAIエージェントは、業務プロセスを横断しながら動くことができ、タスクの自動化だけでなく、業務全体の再設計(リデザイン)にもつながる技術として注目を集めています。

活用領域の広がり(営業・人事・開発・カスタマーサポートなど)

AIエージェントのビジネス領域での活用は、年々広がりを見せています。以下は代表的な活用分野です:

  • 営業支援:SFAと連携し、営業アクションの自動記録やリマインドを実行
  • 人事業務:応募者対応の自動化や、面接スケジュール調整の自動化
  • ソフトウェア開発支援:コードレビューやタスク整理、進捗管理の自動化
  • カスタマーサポート:問い合わせ内容を分類し、最適な回答を自動生成
  • 社内ヘルプデスク:社内ルールやツールの使い方を自動回答・案内

こうした活用が進むことで、「人がやるべきコア業務」と「AIに任せられる定型業務」の切り分けが明確になり、組織全体の生産性向上にもつながります。

導入フェーズ別:AIエージェント活用の実践事例

【導入検討期】社内業務のどこにAIエージェントを使うべきか?

事例①|大手メーカーにおける社内FAQ自動化と問い合わせ対応時間の50%削減
ある大手製造業では、社内からのツール操作や業務ルールに関する問い合わせが月数百件発生しており、対応に追われる情報システム部門の負荷が大きな課題でした。

そこで、AIエージェントを使ったFAQ対応の自動化を試験的に導入。SlackやTeams上で社員の質問を受け、適切な回答を返すチャットボット形式を採用しました。
業務部門の協力を得ながら、よくある問い合わせデータを学習させた結果、3か月で対応時間を50%削減し、他部門への展開が決定。小規模から始めたことで、社内での理解・期待も高まりました。

【試験導入期】パイロット導入での評価指標と改善策

事例②|営業部門でのタスク補助AIによる提案準備時間の短縮
営業資料の準備や商談ログの記録など、ルーティン業務の多さが課題だった商社では、AIエージェントを使った「営業支援ボット」を一部チームに導入しました。

このエージェントは、顧客との会話記録から商談要点を自動で要約し、CRMへの入力も補助。さらに、過去の類似案件から提案テンプレートをレコメンドする機能も搭載しました。
試験導入の1か月後には、提案資料準備にかかる時間が30%削減され、営業パーソンの満足度も高い評価を得ました。

導入時は、精度や業務フローとの適合性が懸念されましたが、「最小限の自動化から始め、現場と一緒にチューニングする」という進め方が成果につながりました。

【本格運用期】全社導入での仕組み定着と拡張活用

事例③|社内ITヘルプデスクのAIエージェント化と自己解決率の向上
IT部門のサポートコスト削減と社員の自己解決力向上を目指し、ある金融系企業では社内ヘルプデスクにAIエージェントを本格導入しました。

このエージェントは、社員の質問内容から関連ドキュメントや過去のQAデータを検索し、自然な言語で回答を返す仕組み。さらに、回答できなかった内容は人間の担当者に引き継がれ、そのやりとりは継続的に学習されていきます。

結果、問い合わせの自己解決率は導入前の25%から55%に上昇。IT部門のリソースはより高度な業務に集中できるようになり、部門間の連携も改善されました。

このように、導入フェーズごとの目的や期待に応じて、AIエージェントの活用戦略を組み立てることが、成果創出への近道となります。

活用を成功に導く3つの視点:フィンチジャパンが考える実装のカギ

①業務選定:本当にAIが向いている領域を見極める

AIエージェント導入の成否を左右するのが、「どの業務に適用するか」の判断です。
すべての業務がAI化に向いているわけではなく、以下のような特徴を持つ業務が導入効果を得やすいとされています。

  • 繰り返し頻度が高く、パターンが一定している
  • データが蓄積されており、学習素材が豊富
  • 他部門・他システムとの連携が少なく、クローズドな業務

フィンチジャパンでは、業務棚卸しとともに「AI適正スコア」を用いた業務マッピングを実施。導入効果が高く、社内展開のフックとなる業務を優先的に選定します。

②体制設計:伴走する人材・部門との連携

技術導入はツールだけでなく、人の巻き込みと体制構築が成功の鍵です。

フィンチジャパンの支援では、導入推進を担うプロジェクトオーナーだけでなく、現場のキーユーザー、IT部門、時には経営層も巻き込んだ「クロスファンクショナルな推進体制」を設計。
また、現場で起きる課題や改善提案を素早く反映できるよう、スプリント形式での運用改善も併用し、プロジェクトの継続的な推進を可能にしています。

③成果設計:定量指標と定性効果をセットで評価する

AIエージェントの導入成果は、「工数削減」や「対応スピード向上」といった定量指標に注目されがちですが、フィンチジャパンでは定性評価も含めて成果を設計します。

例としては以下のような観点です:

  • 社員の自己解決率向上による業務自立性の強化
  • ナレッジ蓄積・共有の加速
  • 利用者からのフィードバックによるサービス改善の循環形成

こうした複合的な成果を設計段階から組み込むことで、単なる“業務の一部自動化”ではなく、業務全体の質を高める投資として位置づけることが可能になります。

まとめ:AIエージェント活用の次の一手とは?

AIエージェントは、単なる業務の自動化ツールではなく、「人と協働しながら業務の質を高める存在」として注目されています。導入のハードルが下がりつつある今、いかに戦略的に活用するかが、企業の競争力を左右するポイントです。

本記事でご紹介したように、

  • 導入フェーズに応じた目的設定
  • 適切な業務選定と体制設計
  • 効果を最大化する評価と改善サイクル

を意識することで、AIエージェントは「一部の実験的な取り組み」ではなく、全社的な変革の起点として活用できます。

いま求められているのは、「とりあえず導入する」姿勢ではなく、現場と経営の両視点から最適な活用戦略を描けるパートナーシップです。
次の一手として、御社の業務に最適なAIエージェント活用を、ぜひ検討してみてください。

フィンチジャパンからのご提案:現場で成果を出すAI導入支援

AIエージェントの活用を検討する企業が増える中、私たちフィンチジャパンは「現場で成果を出すこと」を何より重視しています。

フィンチジャパンの支援は、単なるツール導入ではなく、ビジネス成果につながる活用設計と現場実装の徹底伴走です。

「一緒に成果を出す」支援スタイルと実績

  • 経営層の意図をくみ取りつつ、現場で機能する業務設計を支援
  • 導入から定着・拡張フェーズまで、段階的に寄り添うプロジェクト運営
  • 大手〜中堅企業におけるAI活用実績多数(製造業、金融、インフラ、小売など)

「何から始めればいいかわからない」という企業に対しても、業務ヒアリングと可視化から丁寧に支援し、AI導入の第一歩を一緒に描きます

フィンチジャパンからのご提案|AIエージェント導入で“現場成果”を出すために

私たちフィンチジャパンは、2006年創業以来、400件を超える新規事業の立ち上げと事業成長を支援し、また150社以上の既存事業の再成長支援、DX/AI推進、経営戦略の立案・実行支援を行なってきております。

こんなお困りごとはありませんか?

  • AIエージェントを試したいが、どこから導入すればいいか分からない
  • 部門ごとにツールが乱立し、業務効率化に結びついていない
  • 現場が使いこなせず、PoC止まりで終わってしまう
  • 成果指標の設定や、導入効果の社内説明に困っている

AIエージェントは「導入して終わり」のツールではなく、業務設計・運用体制・評価の仕組みまで一貫して構築していく必要があります。私たちは、現場と経営の両視点から成果につなげる導入設計をご支援します。

私たちフィンチジャパンは、一例として以下の様なコンサルティング実績があります。新規事業の立ち上げを検討されている際はご相談ください。

  • エネルギー企業O社:DX改革(約3年)
    業務棚卸しとAI導入を並行実施し、業務プロセスの自動化をサポート。
  • ITサービスK社:住宅サービスの事業開発(4年)
    ビジネス戦略立案とローンチ支援。
  • 食品メーカーR社:新カテゴリー創出(約2年)
    定性・定量の市場データを統合分析し、商品開発のリードタイムを削減。

AIを“成果に結びつく戦力”に変えるための第一歩。ぜひ私たちと共に、貴社にとって最適な活用戦略を描いてみませんか。

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この記事の監修者

監修者の写真

株式会社フィンチジャパン 代表取締役

高橋 広嗣

早稲田大学大学院を修了。
野村総合研究所経営コンサルティング部入社。
経営戦略・事業戦略立案に関するコンサルティングを実施。
2006年に当社を創業し現在に至る。
以来、一貫して事業開発プロジェクトとスタートアップ投資を行っている。
対外活動も積極的に行っており、顧客満足を科学した結果を発表したり、宣伝会議講座では事業開発の講義も実施している。

出版

半径3メートルの「行動観察」から大ヒットを生む方法

PR Times記事

https://prtimes.jp/main/html/searchrlp/company_id/53478>

ZUU online記事

https://zuuonline.com/authors/d7013a35

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