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ポジショニング分析を効果的に活用するための3つのポイント

新規事業・商品開発2018.07.23

ポジショニング分析を活用して市場の中で、「競合の少ない有望なポジションを探す方法」は様々な角度から研究されている。

しかし、多くの場合、マーケティング担当者が持っている知識や切り口で考え、それを元にポジショニングマップを作ることになる。その結果、競合がいないスイートスポットを発見すると、それが『美味しい事業領域』と勘違いしてしまう。往々にして、その手法や結果は根拠が少ないので、「こういう市場だったらいいな」という思い込みになっている場合がある。

もちろん、手順として、マーティング担当者が自己の経験からポジショニングの軸を考えてスイートスポットを発見する手法は間違いではない。問題は、それはあくまで「仮説」であり、その「検証」が不十分であることである。重要なのは、消費者や顧客のニーズを起点に仮説立案映することであり、正解かどうか消費者や顧客に聞いてみることだ。

今回はポジショニング分析の手順に加えて、「消費者調査を活用したポジショニング分析のブラッシュアップ」として新商品発売後に活かせるポジショニング分析の応用方法を紹介する。

ポジショニングの軸の設定

ポジショニング戦略とは、消費者や顧客が想像する市場イメージの中に、自社製品の位置づけることだ。つまり『ポジション』を作り、ほかの製品とは違う差別化されたイメージを持たせるためのあらゆる企業行動のことである。

従って、ポジショニング分析とは、消費者や顧客が市場の中で自社製品をどの様に位置づけているか、把握することである。

軸は商品選択の決定要因から選ぶ

ポジショニング分析を行う際は、消費者や顧客が市場をどの様に捉えているか把握し、強い要因を2つ選び、下図の様な軸として設定する。

例えば、次のような消費者や顧客が商品選択の決定要因となっている軸から採用することが多い。

  • 価格
  • 性能
  • デザイン

軸を設定する際に大事なのは、消費者や顧客の購買決定要因や選択要因となっている軸を選ぶことだ。

よくやってしまいがちな選定として、他社製品と自社製品の違いを明確にするための軸を選んでは本末転倒なので注意して欲しい。

軸が決定したら、選んだ2軸の座標上に、製品やサービスをプロット(配置)する。

軸同士の関係性はできるだけ離すこと

気をつけてほしいのは、例えば「品質」と「値段」のように二つの軸の関係性が高すぎると、製品やサービスを右上から左下に並ぶだけであるため、できれば二つの軸の相関性を事前に調べておくと良い。

どういう軸を選べばよいか、例をいかにまとめておこう。

製品や商品について

品質
  • 一次品質(機能・性能)
  • 二次品質(個人のフィット感)
  • 三次品質(社会的品質、環境対応、流行性)
価格
  • 高い・安い
  • 大衆・高級
ターゲットの属性
地理的要因
  • 地域
  • 都市規模
  • 気候
人口統計学的要因
  • 年齢
  • 性別
  • 年収
  • 家族構成
  • 教育水準
心理的要因
  • ライフスタイル
  • パーソナリティ
購入欲求要因
  • リフレッシュしたい
  • 痩せたい
提供方法(購入方法)
  • 実店舗販売
  • ネット販売
  • 配達販売

ポジショニング分析の3つのコツ

消費者や顧客視点で軸を選定することができ、自社製品と他者製品をポジショニングできたとしよう。

例えば、下図の様に製品をポジションできたとする。

 

  • 「リフレッシュしたい」と強く思うときは炭酸飲料
  • 「体に良いものを飲みたい」と強く思うときは野菜ジュース。
  • 単に「喉が渇いた」というときや「食事に合う飲み物を飲みたい」というときはお茶

こうして消費者の頭の中にある商品イメージをマッピングすると、どこに商品が位置付けられていて、逆にどこに商品が位置づけられていないかが可視化できる。この可視化作業がポジショニング分析の基本である。

このポジショニングマップを見ると、「リフレッシュしたい」と「体に良いものを飲みたい」の両方を満たす製品が無い、つまり右上のエリアに空白スイートスポットの可能性があることがわかる。この様に、消費者や顧客の頭の中にある空白エリアを見つけるのが、ポジショニング分析のコツとなる。

1,基本は隙間を狙うべきである

同一エリアに複数製品が混在すると価格競争などが発生する。

大企業の場合、投資力によってポジションを獲得できるが、基本的には戦いを避け、差別化できるエリアを探すべきであろう。

2.少し軸をずらして共存を図る

対象とするエリアに参入している製品が少ない場合は、少し軸をずらして共存を図るという方法も採り得る。

例えば、通常のお茶は「体に良いものを飲みたい」というニーズを叶えるには野菜ジュースには敵わない。そこで、野菜ジュースには敵わないが、すでに市場にあるお茶よりもずっと体に良い」という違いを打ち出して下図の様に共存を図る。

ただし消費者が、「普通のお茶」と「体に良いお茶」に違いを認識する可能性があるか検証する必要がある。

3.同一象限はいずれ消耗戦になる

同一象限にいる、つまり同一路線で戦っている場合、市場のパイが大きいときは良いが、市場が成熟してくると、価格競争などの消耗戦に突入することになる。

例えば、以前に太陽光発電ブームが起こり、多くの事業者が参戦したが、多数の事業者が参加したことにより電気の買取り価格が下がり、市場から撤退する企業が続出したケースなどがその例にあたる。

消費者調査を活用したポジショニング分析のブラッシュアップ実例

新商品やサービスを投入する際は、消費者や顧客の調査を踏まえてポジショニング分析を行う。

消費者に質問する場合は、「体に良い150円のお茶と普通の120円のお茶のどちらを買うか?」などと言った比較設問を活用して消費者や顧客がイメージしていることを数値化する。この調査方法は「一対比較調査」や「コンジョイント調査」と呼ばれている。

こうした調査を行うことで、頭の中にあるイメージをポジショニングマップとして可視化することができる。

消費者の期待と満足の関係からポジショニング分析を行うケース

実際に利用経験のある商品やサービスの場合は、消費者の期待と満足の関係からポジショニング分析を行うことができる。

例えば「喉が渇いたときに一番飲みたい飲み物はどれか?」という期待を聞き、「あなたが選んだ飲み物では満たせたか?」という満足を聞く。

そうすることで市場に出ている製品がどの程度の期待と満足を満たしているかを明らかにすることができる。ただし、期待と満足は利用経験があるかないかで結果が異なることに注意しよう。

仮に、市場に出ている炭酸ではリフレッシュしたいという期待を満たせていないということが分かってくると、「リフレッシュしたい」という期待に応えるために炭酸の右側には空白スイートスポットの可能性があることがわかる。そこまで分かれば、例えば、通常の炭酸よりも、さらに強い強炭酸の商品コンセプトを立案できる。

当初設定した軸は、消費者や顧客のイメージで設定されるため、今市場に出ている製品だけでは満たせていない期待がある。

つまり軸の長さは無制限であることに注目することで、新たなスイートスポットを発見できる可能性がある。

もちろんポジショニングは競合の状況によって常に変化するものであるため、継続的な調査により、「ポジショニングの変化」を把握するのも重要だ。

ポジショニング分析を効果的に活用するために

ポジショニング分析は、企業が自社製品を市場でどう位置付けたいかを描くというよりも、消費者や顧客の頭の中にどの様なイメージを植え付けたいかを分析すると言うとわかりやすいだろう。

そしてイメージをポジショニングできると、どこに余白が空いていて、市場参入の可能性があるかを科学的に議論することができる。マーケティングの最前線では、自社や他社の既存製品のポジショニングをずらず戦略と組み合わせて、より高度な分析が行われている。そのとき、消費者や顧客の声を徹底して聞き、それを元にポジショニングの再構築を行い、差別化できるポジションを構築するという点ではその基本は変わらないと言えるだろう。

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