n8nワークフロー作成入門 ノードとトリガーで自動化を始める
公開日:2025.11.10更新日:2025年11月12日

目次
n8nの仕組み–ノード・トリガー・ワークフローをやさしく理解する–
AI技術の進歩に伴い、様々なワークフローの自動化が可能なツールn8nへ注目が集まっています。
n8nは業務で行っている判断や手続きをそのまま図にして動かせる仕組みであり、AIを利用して特定のタスクを実行させる「AIエージェント」開発が可能です。
本記事ではn8nの仕組みについて説明します。
複雑なプログラミング知識は不要ですが、基本構造を理解することで活用の幅が一気に広がります。
ここでは、次の3つだけ押さえましょう。
1.ノードとは 業務の作業手順を表す「箱」

ノードとは、n8nにおける1つの業務ステップを表す「箱」です。たとえば、日々のメール業務を例にすると、次のような作業があります。
- メールを取得する
- メールの内容を判断し、必要な情報を整理する
- 表(スプレッドシート)に記録する
- 担当者に通知する
n8nでは、これらの作業をそれぞれノードとして表現できます。
特に「メールの内容を判断し、整理する」工程は、ChatGPTなどのAIノードに置き換えることができます。
ノードの例
| ノード | 役割 |
| Gmail | メールを取得する |
| AI(ChatGPT) | 内容を整理し、判断する |
| Spreadsheet | 表に書き込む |
| Slack | 通知する |
つまり、実務で言うと、社員が行っている仕事を1ステップずつ「箱」にして並べるイメージです。ノードとして可視化することで、業務の流れが整理され、そのまま自動化につなげることができるようになります。
2.トリガーとは 仕事が始まるきっかけの合図

トリガーは、フローがいつ動き出すかを決める合図です。
人が「そろそろやるか」と判断する代わりに、システムが条件に応じて自動で開始します。
※上の動画は当社で開発したシステム上でのワークフロー図です
- 毎朝9時になったら(時間)
- 新しいメールが届いたら(イベント)
- フォーム入力があったら(入力)
きっかけを自動化するだけで、気づく・開く・確認するという手作業が消えます。
3.ワークフローとは ノードとトリガーでつくる道筋

ワークフローとは、ノード(作業の箱)とトリガー(開始の合図)をつなげ、業務が自動で進むように設計された「業務手順書」です。簡単に言うと、何を、どの順番で、どの条件で進めるかを定義した業務の道筋です。
例えば、メール対応を例に取ると、ワークフローは次のようになります。
例 メール対応ワークフロー
- 実務の流れ
- 毎朝9時になったら or 新規メールを受信したらメールをチェックして内容を整理する
- 必要な情報をスプレッドシートへ記録する
- 担当者へ通知する
- n8nでの自動化
| 業務ステップ | n8nの動き |
| メールの確認 | Gmailトリガーで自動検知 |
| 内容を読む・整理 | AIノードで要約+分類 |
| 記録する | Spreadsheetノードで書き込み |
| 共有・依頼 | Slackノードで通知 |
このように、人が行っていた一連の作業が、n8nで設計した順番に自動で動きます。
業務を言語化し、誰もが同じように実行できる仕組みに落とし込んだものが、ワークフローです。
ポイント–n8nとは「IT化ではなく業務の言語化」–
これまで述べたように、n8nの用語を実際の人間の業務に例えると、以下のようになります。
- ノード=作業
- トリガー=開始条件
- ワークフロー=業務の道筋
これらをn8nで構造化した瞬間、属人化していた業務(仕事)は担当者の頭の中から、組織の資産へと変わります。n8nは、現場で機能しているやり方を「動く仕様書」として残すツールとしての役割も果たします。
n8nを実務で動かす–総務の問い合わせ対応の自動化–
前の章では、ノード・トリガー・ワークフローを解説しました。次は、実際の業務に当てはめてみましょう。
ここでは、どの企業にも存在する「総務部の問い合わせ対応」を題材に、n8nによる自動化でどのように業務を変えるかを具体的に見ていきます。
総務部では、日々、社内からさまざまな問い合わせが届きます。備品申請、勤怠ルール、入館証の発行依頼など、内容は多岐にわたり、担当者はメールを開き、内容を読み、担当部署を判断し、連絡・管理する業務に多くの時間を割いています。
このプロセスをn8nで仕組み化すると、次のように変わります。
「従来の対応」 vs 「n8nによる自動化」
総務部門では、問い合わせメールを開き、内容を判断し、担当者へ転送し、対応漏れがないよう追跡するという作業が日々発生します。
n8nを活用すると、これらの工程をワークフローとして仕組み化でき、担当者は例外対応や判断が必要な業務に集中できるようになります。
(アニメーションGIFで自動化する過程を挿入 スライド4)
まずは、従来の流れとn8n導入後の流れを比較してみましょう。
- 従来の対応フロー
.gif)
メール受信
↓
内容を確認・判断
↓
担当者へ手動で転送・通知(Slack/Teams)
↓
対応状況を管理・フォロー
- n8nによる自動化後の業務フロー

※上の動画は当社で開発システム上でのワークフロー図です
Gmail受信トリガー
↓
(必要に応じて AIが内容を要約・分類)
↓
担当部署に自動通知(Slack/Teams)
↓
スプレッドシートに自動記録+期限設定
従来は、「メールに気づく → メールを読む → メール内容を判断する →
担当者に連絡する → 対応状況をフォローする」という手作業が必要でしたが、
n8nでこれらの工程が自動化できます。
この時点で大事なことは、業務の流れを仕組み化できていることです。
工程ごとの比較 作業から仕組みへ
次に、各工程でどのように置き換わるかを整理します。
| 従来の対応 | n8nでの動き |
| メールを開く | Gmailトリガーで自動受信 |
| 内容を読む | AI で本文を抽出 |
| 担当者を判断 | キーワード/部署ルールで自動振り分け |
| 担者に連絡 | Slack/Teamsに自動通知+期限設定 |
| 対応状況を管理 | スプレッドシートに自動記録 |
n8nによって、「メールを追いかけ、転送し、催促する」作業から解放され、
担当者は本来の業務である判断・対応品質の向上に集中できます。
仕組み化による効果
n8nによる自動化で、総務担当者はメール確認や催促などの作業から解放され、例外対応やケース判断といった付加価値の高い業務に集中できるようになります。
また、対応状況がログとして残り、「対応漏れ防止」、「対応スピードの向上」、「引き継ぎや人員交代のスムーズ化」を仕組みとして可能になるため、組織力の底上げにもつながります。
まとめ
今回の例では、総務部の問い合わせ対応を題材に、n8nで「気づく→読む→判断→ 連絡→追跡」といった日常業務が、ワークフローとして自動で流れる姿を
ご紹介しました。
担当者は処理作業から解放され、例外対応や判断業務など本来価値を生む仕事に集中できます。また、対応履歴と期限管理が自動で残るため、属人化の解消や内部統制の強化にもつながります。
今回の例では、問い合わせ内容の整理や通知といった、比較的シンプルな判断まで自動化しました。
しかし実務では、状況の解釈や優先度付け、適切なアクションの選択など、より高度な判断が求められる場面が数多く存在します。
こうした「経験に基づく判断」まで、仕組みとして再現し支援できるのがn8n × AIです。次章では、n8nとAIを使って、判断まで任せられる自動化(いわゆる考える自動化)を実現する具体例をご紹介します。
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-
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- 新規事業を成功させる22のステップ
- 新規事業・商品開発
コンサルティングの成功事例 - など
この記事の監修者

株式会社フィンチジャパン 代表取締役
早稲田大学大学院を修了。
野村総合研究所経営コンサルティング部入社。
経営戦略・事業戦略立案に関するコンサルティングを実施。
2006年に当社を創業し現在に至る。
以来、一貫して事業開発プロジェクトとスタートアップ投資を行っている。
対外活動も積極的に行っており、顧客満足を科学した結果を発表したり、宣伝会議講座では事業開発の講義も実施している。
出版
PR Times記事
『https://prtimes.jp/main/html/searchrlp/company_id/53478>』
ZUU online記事
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