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業務効率を飛躍的に高める!B2B企業がVRを活用すべき4つの理由とは?

                   
AR・VR
公開日:2018.01.22更新日:2025年6月12日

「VRは遊びのための技術」——そんなイメージを持っている方も少なくありません。しかし、いまB2B企業においてVR(バーチャルリアリティ)の活用が注目を集めています。

2025年現在、VRはゲームやアミューズメントを超え、教育、医療、製造業など幅広い業界で導入が進んでいます。特にB2Bのビジネス領域では、「人の代わりになる」「体験による納得性を高める」といった観点から、業務効率化や顧客価値創出の手段として活用が期待されています。

本記事では、VRの基本から市場動向、B2C・B2Bそれぞれの具体的な活用事例までを解説しつつ、B2B企業がVRをビジネスに取り入れるためのポイントを整理していきます。
これからVRの導入を検討したい企業担当者、DX推進担当者の方にとっての実務的なヒントになれば幸いです。

VRとは?今さら聞けない基本と仕組み

VR(Virtual Reality:バーチャルリアリティ)とは、「仮想現実」と訳され、コンピュータによって作り出された仮想空間を、あたかも現実のように体験できる技術です。

その中心となるのが「HMD(ヘッドマウントディスプレイ)」と呼ばれる装置。装着者の頭の動きや視線をリアルタイムでトラッキングし、視界に360度の映像を映し出すことで、あたかも空間の中に自分が存在しているかのような感覚を生み出します。

近年では、HMDの性能向上や価格低下により、法人用途でも導入のハードルが下がってきました。また、スマートフォンやPCと連携して手軽に利用できる軽量モデルや、スタンドアロン型と呼ばれるPC不要の一体型機器も登場しており、活用の幅は急速に広がっています。

VRはエンタメ分野での活用が先行してきたものの、「疑似体験」や「遠隔操作」「没入感ある学習」などの特徴がビジネスにも応用できることから、今や業務変革を促すツールとして企業から注目されています。

 

VR市場の最新動向と今後の成長予測

2025年現在、VR市場はエンタメ領域を超えて、多様な業界に広がりを見せています。国内外の調査によると、今後数年でVRの法人向け活用が加速度的に進むと予測されています。

たとえば、海外調査会社のSuperDataによれば、2020年の世界VR市場の売上は約283億ドルに達しており、そのうちソフトウェア(162億ドル)がハードウェア(121億ドル)を上回る勢いで伸びてきています。これは、VRが「体験のハード」から「価値を生むソフト」へとシフトし始めていることを意味しています。

また、日本国内においても、MM総研の予測では以下のような成長が示唆されています。

市場区分 2016年度 2021年度予測
AR関連市場 59億円 355億円(約6倍)
VR関連市場 27億円 710億円(約26倍)
ヘッドマウントディスプレイ市場 55億円 1,046億円(約19倍)

このように、VR関連市場は数年間で10倍以上の規模に拡大することが見込まれており、その牽引役の一つがB2Bでの活用領域です。

特に製造・建設・教育・医療・小売といった業界では、業務効率化、研修効果の向上、遠隔対応力の強化といった観点で導入が進んでおり、単なる技術トレンドではなく、企業競争力を左右するインフラの一部になりつつあります。

 

B2C企業のVR活用事例:不動産・小売・医療・教育まで

VR技術は、B2C分野においてすでに多くの事例で実用化が進んでいます。特に「体験による納得感」を生み出せる点が、購買率の向上や顧客満足度の向上につながるとして注目されています。以下に、代表的な業界ごとの活用例をご紹介します。

▶ 不動産・建設業界

住宅購入時の間取り確認やリフォーム後の完成イメージを、VRでリアルに体験可能に。顧客にとっては「住んだ後の感覚」をシミュレーションできるため、購買判断の後押しとなります。結果的に成約率向上とクレーム削減に貢献します。

▶ 小売業界

洋服のバーチャル試着や、家具の配置シミュレーションなどが可能になります。バーチャルモール上で、サイズ感を確認した上での購買ができるため、返品率の低下ユーザー体験の向上にもつながります。

▶ サービス業(旅行・ブライダルなど)

旅行ルートや観光施設の疑似体験、結婚式場の事前内覧などで導入が進んでいます。視覚的な安心感や期待感が、購買決定を後押しする効果が期待されています。

▶ 自動車業界

VRによる試乗体験や、自動運転支援機能の実感が可能になります。営業現場での試乗に代わるツールとして活用されており、顧客が製品の性能や操作性を事前に理解できるようになっています。

▶ 医療業界

手術手順のシミュレーション、精神疾患や幻肢痛(失った手足の痛み)への治療応用など、患者と医療従事者の双方に有益な活用が始まっています。医学生の学習ツールとしても活用が広がっています。

▶ 教育業界

星座や自然環境、歴史的建造物の仮想体験を通じた“体験型学習”が可能になります。異文化理解や社会課題の教育にも活用でき、教育現場の新たな選択肢として注目を集めています。

 

なぜB2BこそVR導入が必要なのか?業務変革の視点で考える

これまでVRの活用は、主にB2C業界を中心に進んできましたが、近年はB2B企業におけるVR導入が加速しています。その背景には、エンタメや販促の枠を超え、業務プロセスそのものを効率化・高度化できる可能性があるからです。

特に注目されているのが、「人の代わりになる」というVRの本質的な価値です。

VRが変えるB2Bの業務課題

  • 人的リソースの不足への対応
    実地でしか学べなかった研修や教育を、仮想空間で再現し、効率よく継承・共有することが可能に。
  • 業務プロセスの見える化と標準化
    設計・製造・保守などのプロセスを、誰が見ても理解しやすい3Dモデルで可視化し、品質や業務精度の均一化を実現。
  • 遠隔対応・リスク回避
    危険地域での作業や出張を要する現場対応を、VRと遠隔通信技術を活用することで、現地に行かずに判断・指示が可能に。
  • 事業・業界をまたいだコラボレーション
    自社の知見・技術を他業界と組み合わせ、新たな価値を創出できるビジネス基盤として、VRが活用され始めています。

「体験価値」から「代替・拡張価値」へ。
これが、B2BにおけるVR活用の進化です。もはやVRはイベントや販促にとどまらず、「業務の変革を実現するツール」へと変貌しつつあります。

次章では、実際にB2B企業がどのようにVRを活用しているのか、活用事例4選をご紹介します。

B2B企業のVRビジネス活用4選

ここでは、実際にB2B企業がVRを業務でどのように活用しているか、4つの用途に分けて紹介します。いずれも「人の代わり」「業務の可視化」「遠隔・効率化」といった観点で、ビジネスの生産性や付加価値の向上に直結する事例です。

商品開発プロセスでのVR活用

商品開発の初期段階では、これまで手間やコストがかかっていた試作品の作成・評価プロセスを、VR上で仮想的に再現可能に。

たとえば、360°の空間内で製品デザインを可視化・共有したり、異なるバージョンを並べて比較・検討したりすることで、意思決定のスピードと品質の向上が期待できます。

近年では、Adobeなどの大手ツールベンダーもVR対応の編集ソフトを提供し始めており、一般的な業務ソフトと連携して導入が進んでいます。

eラーニング・研修用途でのVR活用

人口減少による人材不足と人材開発の重要性が高まるなか、VRは効率的かつ臨場感ある研修手段として注目されています。

新人研修や技術継承では、OJTの疑似体験として営業提案や作業手順を再現可能。複数人が同時に学べるだけでなく、失敗できる安全な学習空間をつくることで学習効果が高まります。

実地研修とのハイブリッド運用によって、研修コストの削減と質の均一化を実現する企業も増えています。

環境アセスメントや説明会での活用

建設やインフラ系のプロジェクトでは、事前に地域住民の理解を得ることが重要なプロセスです。しかし、従来の図面や資料では視覚的な理解が難しく、反対意見につながることも少なくありません。

そこでVRを用い、完成イメージや環境影響をリアルに体験できるようにすることで、合意形成をスムーズに進めることが可能になります。

国や自治体でも、説明会や環境影響評価のプロセスにVRを取り入れる事例が徐々に広がりつつあります。

危険・遠隔環境での作業支援(異業種連携)

VRは、遠隔地や危険な作業環境における人の代替手段としても有効です。

たとえば、ドローンと連携させることで、災害現場や高所・密閉空間などに人が入らずに調査や操作が可能に。身体動作や視線による直感的な遠隔操作も、VRによって現実味を帯びてきています。

この分野では、建設・通信・エネルギー業界をはじめとした異業種による連携が進んでおり、新たな需要の創出が期待されています。

まとめ:VRが「人の代わり」となる時代、ビジネス活用の第一歩を

これまで「体験価値の提供」や「エンターテインメントの延長線上」で語られてきたVR技術ですが、いまB2Bの現場では明確に“人の代わり”として価値を発揮する段階へと進化しています。

商品開発、教育研修、説明会、遠隔作業といった業務領域において、VRは以下のような変革をもたらしています。

  • 人手や時間が足りない業務の代替手段としての導入
  • 実地では難しい教育・評価の再現性のある疑似体験
  • 対話や合意形成のための視覚的・体感的な説得材料

こうした活用は単なるコスト削減にとどまらず、新たな価値創出や競争優位性の確保につながる可能性を秘めています。

 次の一手は「自社業務とのFit-Gapの検討」

VR導入の第一歩として重要なのは、「自社のどの業務がVRと親和性が高いか」を見極めることです。無理に全社導入を目指す必要はなく、まずは特定業務でPoC(概念実証)を行い、効果と運用イメージを固めるのが現実的な進め方です。

テクノロジーとしてのVRではなく、ビジネス成果を生むツールとしてのVRに目を向けることが、これからの企業の成長戦略における重要な視点となるでしょう。

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この記事の監修者

監修者の写真

株式会社フィンチジャパン 代表取締役

高橋 広嗣

早稲田大学大学院を修了。
野村総合研究所経営コンサルティング部入社。
経営戦略・事業戦略立案に関するコンサルティングを実施。
2006年に当社を創業し現在に至る。
以来、一貫して事業開発プロジェクトとスタートアップ投資を行っている。
対外活動も積極的に行っており、顧客満足を科学した結果を発表したり、宣伝会議講座では事業開発の講義も実施している。

出版

半径3メートルの「行動観察」から大ヒットを生む方法

PR Times記事

https://prtimes.jp/main/html/searchrlp/company_id/53478>

ZUU online記事

https://zuuonline.com/authors/d7013a35

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