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【対談記事】オーケストレーションと“行間を読むAI”──エージェント実装のリアリティ

                   
経営
公開日:2025.11.25更新日:2025年11月25日

 

でじどうラジオは、株式会社フィンチジャパンが配信する、AIエージェントと人が“共に番組を運営する”新感覚の実践型トークシリーズです。「答えるAI」ではなく、番組制作に実際に関わるエージェントを“デジタル同僚”として取り上げることで、「人とAIがどのように一緒に働くのかを体感的に知る」ラジオです。本記事はフィンチジャパン代表高橋とひげおぢによるポッドキャスト『でじどうラジオ』で『実践AIエージェントの教科書 構築技術と豊富な活用事例で学ぶ(リックテレコム)』を読み、二人が語った「人間の役割」と「信頼の速度」に関する対談記事です。

はじめに 「ムチャブリされた人」向け? いや、違う

ひげおぢ: デジどうラジオ、第3回です。今回も、フィンチジャパンの高橋さんをゲストに読書会をしていきます。

今日の課題図書は、『実践AIエージェントの教科書 構築技術と豊富な活用事例で学ぶ』(リックテレコム)。著者が株式会社日立製作所で、しかも AI CoE ──センター・オブ・エクセレンスという部署です。

フィンチ高橋: まさにそのAIに関する日立さんの中の知財というか、そういうのを集めている部署のことを言うんですが。日立が集大成のごとく描いた、素晴らしい力作ではないかと思います。

ひげおぢ: 実は今日取り上げた本は、今までとはちょっと違っていて。今までは、コンサルタントや経営者の方が、「エージェントとはどういう思想的立場か」「仕事そのものがどう変わっていくか」という、大きな視点での本が多かった。しかし、この本は、もっと実践的なんですね。

本の帯が秀逸で、「この本をAIエージェントでどうにかしてよって丸投げされた人が、初めに手を取るべき本」みたいに書いてあったんですけど。これ、「丸投げ」って、ITの時から常に起こっている問題ですよね(笑)。

フィンチ高橋: 実際には「丸投げ」ではなく、「ムチャブリ」と書いてあるのですが、まさにこの帯の熱さで、思わずKindleやPDFで手に取ってしまうかもしれません。ただ、中身は非常に技術的にもしっかり書かれているし、かつ網羅的というか。

まさに日立さんの実績を含めて、本当にどんなふうに構築していくのかということも、サブタイトルの「構築技術と豊富な活用事例に学ぶ」の嘘偽りがない、そういう本です。逆に、安易にタイトルと帯だけ見て手に取ると、途中で挫折するような、そんな本かもしれませんね。

ひげおぢ: そうですね。その「考え方」ではなくて、もう本当に導入しなくてはいけない、仕事を課せられた方だったら、すごく価値があると感じます。

相変わらず僕は、目次と前書きしか読んでないんですけども、この本、目次がすごく細かいですよね。丁寧に。

フィンチ高橋: いや、本当にですね。

ひげおぢ: こんなに細かく書かれている。多分それは、読者が「これが分からなくなっちゃったんだけど」という時に、すぐに痒いところに手が届くように読んで欲しいという意図があるんじゃないかなと。

フィンチ高橋: 確かに、そういうところがあると思います。

第2章だけで150ページ──本気の技術書

ひげおぢ: 第1章では、どこの本もそうですが、「AIエージェントとは」ということを説いています。これはおそらく今までの生成AIとの違い、自律性が出てきたというところを説いているんじゃないかなと。歴史的背景とか、そこら辺を書いているんじゃないかと思うのですが、ここら辺は特に目立った特徴はないイントロダクションでしたか?

フィンチ高橋: そうですね。序章のところでも、これだけの目次なので、かなり詳しく書いてあるとはいえ、全体としてはかなり広範に網羅して書いているところがあります。

ひげおぢ: で、第2章になると急に非常に挫折しそうになるというか。「AIエージェントの開発技術」というものです。今まで取り上げてきた本で、技術的に深めた本ってたぶんなくて。これ、「技術」って具体的にどういったことが書いてあったんですか?

フィンチ高橋: この「技術」というところは、実際のプログラムの話とか、ツールの話も書いてあるんですけども。まず非常に面白いのは、全体感として開発のツール、それから開発の環境はもとより、「どういう階層ごとに開発をしていかなきゃいけないか」ということも書いてありまして。

他のAIエージェントに関する概要本にはない、たとえばオーケストレーション層っていうエージェント同士をうまく調和させていくような、そういったところが実は非常に大事だ、みたいなこととか。

あとは、エージェントってプログラムと違って、言われたことをそのままやるだけじゃなくて、毎回答えがちょっとずつ違う。我々も同じこと聞いても、同じ回答じゃない部分がある。エージェントも同じように返ってくる部分が違うので、そういう違いをちゃんと観察をして、「本当に大丈夫なの?」といったことを見ていかないといけない。

それを作るということだけじゃなくて、運用するところまで気をつけなきゃいけないということが、かなりこの第2章の中で書いてあるわけです。

実際にボリュームもすごいですよ。技術編第2章は22ページから始まって、2章が終わるのが171ページ。

ひげおぢ: 一章それで150ページぐらい。

フィンチ高橋: そうです、ページをガッツリ割いています。章立ての気合の入れ方、本当にすごいと思います

ひげおぢ: これって、たとえばこのポッドキャストの1回目とか2回目を聞いた方でも、そこの技術のページって違和感なく読めるんですかね?

フィンチ高橋: 読者によってですね。技術者の方もいらっしゃると思うんですが、私も初めてこの本を読むという意味で見ると難しいかもしれません。ところどころにコラムがあるんです。「エージェントって1970年代80年代からあった言葉だよね」とか、コラムだけ読んでも結構楽しいんですけども、プログラムの作り方などは初めて読むとちょっとハードルが高いかなとは思います。

ただ、実際に使われている事例も豊富なので、「こんなに技術の分野で、こんなに考えることがあるんだ」と、薄い目で見て、遠くから見る目でサラっと読むなら本当に知識がなくても、技術的に分からなくても、一応目を通してもいいかもしれないですね。

「オーケストレーション」とは何か──複数の動作を調和させる

ひげおぢ: となると、もうちょっと実は「オーケストレーション」って、他でも聞いたことがある単語で、ちょっと気になってます。今、高橋さん、たとえば複数のエージェントを束ねるみたいな言い方をされてたと思うんですけども、僕はまだエージェントとしては単一の操作しか依頼してないようなところがあって。

オーケストレーションの入っているエージェントって、たとえばどういう仕事をさせるエージェントですかね?

フィンチ高橋: エージェント同士というふうに言いましたが、実際にはたとえば予定表を見て──つまり予定表の中から空き時間を探して、メールの内容を見て、この人に対する過去の履歴を見て、メール文面を考えて……のような、それを一つのメールの文章にして、「高橋さん、実は私はこういうことを考えています。予定にチェックを空けてください」みたいなワークフローを一連の形で作り込む作業があると思うんですね。

そういうのを、いわゆるそれぞれのパーツを結びつけて、文脈も含めて統合していく作業のことをオーケストレーションと言っています。それぞれごとをエージェントということもあれば、一つのエージェントの塊が良いものもあったりするんですけども、そういうふうに全体として協調することが、とにかく仕事としては大事だよということが書いてある、そんな感じですね。

ひげおぢ: そうですね。たとえばカレンダーアプリを見に行く、スケジュールを見に行くというものと、文章を考えるというところと、ひょっとしたら「どこのスケジュールを入れたらいいんだろう」──要は、空いているからといって早朝にスケジュールを入れても困る。でも、こういったものをうまく調和させるというような感じで考えていいんですね。

フィンチ高橋: まさに今僕が説明した、スケジュールの──たとえば非常時のスケジュールを見てね、「これは来週の火曜日の6時から8時は空いているな」と。「あれでも6時から8時だとちょっと業務時間後になるな」とか。人だったら考えるじゃないですか。

そうすると、空いてる予定と、今度は相手の会社だったりする特性を見て、「6時から8時はやめておこう。午前中の11時、12時と、それから午後の3時、5時の間でどうですか」みたいなことを人間だと言えるわけじゃないですか。

まさにそういうように、人間がやってる動作に近いように、全体を統合させて、一つのタスクを組み合わせる作業のことをオーケストレーションと言っています。まさにこの本の中でも、エージェントがより人間に近いような仕事をしていくためには、このオーケストレーションという作り込みが肝になると。それぞれのプロンプトで「空いてる日程出す」とかね、それぞれのプロンプトで「その人に合ったメールを返す」ということだけじゃダメだよね、ということが書いてあるという感じです。

「運用保守」とは何か?──行間を読むAIへ

ひげおぢ: 第4章の、今度システム開発とか運用保守とかですね。特に文系で企業人みたいにそういう感じでAIに触れる人だと、ここがなかなかおろそかになるパートなんですけど、やっぱり日立の人達なんだなと思うのは、ここら辺がやっぱり大事だよねというところで書いてあるんですけれども。

ピンと来ないのが「運用保守」というところだと皆さん思うんですよね。

たとえば我々使っているものって、ユーザーからするとそんなに運用保守が必要だとは思ってなくて、「裏側でそれはやってるじゃないですか」ってことになるんですけれども、これは自前のエージェントを開発したら必ず付いて回ることなんですかね?

フィンチ高橋: この本の中で、私が「なるほどな」と思った部分でもあるんですが、「明文化されていないルールをAI運用時に明らかにする工程が発生する」ということだと思いますね。本の中で書いてあることは、たとえば普段こうオフィスで働いてる時にね、「高橋部長に説明する前に、田中さんにちょっと説明しておいた方がいいよね」。よく言う根回しの意味ですね。

ひげおぢ: はい、はい、はい。

フィンチ高橋: でもマニュアルで「根回しをすること」とかいうことで書いてある会社ないじゃないですか。でも同じように、まさに業務をしていくエージェントの場合には、明文化されていない、いわゆる明文化されていないルールみたいなものもエージェントが理解していく必要があるよね。

発売当初考えていたような業務をきちんと遂行するためには、まさにその目に見えないようなものも含めて理解させていくプロセスがある。これを総称して運用というふうに書いている、この本では。

ひげおぢ: なるほど、なるほど。これ、高橋さんの見立てだと、そういった行間とか根回しって全部明文化しないと──結局、たとえば前回のテーマでオンボーディング、我々がデジタル同僚ときちんと働くためには、ナレッジベースとワークフローをきちんと、という時には、「行間」という概念がなかったと思うんですよ。でも、これからのエージェントって行間を読むようになるんですか?

フィンチ高橋: そうそう。まさにさっきのオーケストレーションというのは、その行間とか文脈を理解するということで。前回お話があった松本さんの話の中の、戦力化する、オンボーディング化するためには、会社の中の暗黙知も含めてナレッジベースに入れなきゃいけないよね、と書いてあるじゃないですか。

同じことを言っていると、システム開発エージェントにおける運用保守みたいな話が書いてあるという、やっぱりそんなところがあるんじゃないかなと思います。

ひげおぢ: そういう目線でちょっと読んでみると、読み方も変わってきそうですね。

業界別の深掘り──ホリゾンタルからバーティカルへ

ひげおぢ: 次が、業界別実装。本当だ、銀行、製造、鉄道、電力の成功例って書いてますね。

フィンチ高橋: そう、まさにさっきの「オフィスワーク」ってのは横断的な形になっているんだけども、この本のすごいところは、各業界ごと、産業ごとに実際にエージェント、こんなふうに活用できますみたいなことを具体的に結構書いてあって。

そういう意味で見ると、やっぱり他の本と比べると、一歩進んで、結構情報を分析しているというか、ユースケースを出しているような印象がすごくあります。

ひげおぢ: 特に日立さんっぽいですよね。インフラとか重電とか、あまり人の目に触れない業界が多い印象ですが、これらの業界の成功例っていうのが、まずやっぱりここは人の手でやってたものをエージェントが自動的にやっているものがあるってことですよね?

フィンチ高橋: そうですね。今までまさに人でやってたり、あとは生成AIのChatGPTの中でやっていたものが、エージェントになるとこういう風に違いますみたいなことも書いてあるので。単純にその人手のものがAI社員になったっていうことだけじゃなく、今までのチャットボットからの発展系も含めて事例になっています。

そういう意味で見ると、この本でもしかすると後ろの章から読んだ方がなんとなく腹落ちして、「これってどうやって作るの?」で、逆算して前を読んでも僕はいいかなと思いますね。

ひげおぢ: なるほど。それ、そういう見方は面白いですね。確かにそういう──とにかく具体で「こういうふうな」っていう。高橋さんのDX推進の時もあったと思うんですけども、**「事例ってないの?」**みたいに言う偉い人が結構少なくないじゃないですか。で、そういう人には逆に、「こういう風に実はAIエージェントを使うとこんな事例があるんですよ」って見せ方をするっていうのも一つの手ですよね。

フィンチ高橋: まさに、まさにそういうことだと思います。

ひげおぢ: 生成AIでもそうなんですけれども、「もうちょっと簡単なところからやろうよ」みたいな話って、結構やっぱり私も当時DX推進でやったりとか、じゃあ生成AIを会社に根付かせるためには、「まず簡単な議事録から始めましょうか」「じゃあチャットボットから」。

でも1回、2回(PoC的なことをやっても)ゴールがやっぱり見えない。──さっきの章立てをひっくり返すじゃないんですけども、本当に解決したいと。それは小手先じゃなくて本質的なもの、これを解決できたらいいなっていうところにきちっと切り込んでる感じがしますね。

フィンチ高橋: そうですね。まさにそう。僕もそう思っていて、もちろん議事録を書くとかね、最近ですとPowerPointもやってくれるじゃないですか。でもこういったものはどんどん広く浅くというか、いろんなところに広がるんだけども。

日立というのはやっぱり今までできなかった現場の課題、解決できなかった現場の課題を見てるところまで切り込んで、やっぱりこのエージェントを使っていこうということを結構意気込みとしてやっています。

僕も、こういう風に──僕の言葉でホリゾンタルとバーティカルで見ると、このバーティカルにエージェントをより深く使っていくということにユースケースを持ってくる企業が登場してくると、やっぱそういうところはすごく競争力を持つんじゃないかなと思います。

ひげおぢ: ホリゾンタルは逆に言うと、たとえば今の生成AIで議事録とかマーケティング施策とか、要はその文字情報をいろんな部署で横断的にやるっていう意味ですね?

フィンチ高橋: そうそう。たとえばまさに議事録もそうだし、たとえばGoogle広告をね、どうするか。誰もが使ってるプラットフォームをAI社員がやってくれるというのは、まさにそのホリゾンタルな用途なんだけども。

同じマーケティングでも、もっと特殊なマーケティングがあるじゃないですか。医療の世界のマーケティング──医療にマーケティングってあるのかわからないけど(笑)。

そういう、それぞれの世界に特化したマーケティングに、たとえば使うエージェントみたいな話。こうなってくると、やっぱりその業界、その業務をどれだけ深く知ってるかって、そういうことがまさにこのエージェント構築のノウハウになってくるので、そういったものをやっぱり一つ二つ持っていける会社が、やっぱりこう成果を出してくるんじゃないかなって感じがしますね。

っていうのを、この本を読んで改めて思いました。

フィジカルAI──音声、映像、UXの未来

ひげおぢ: 最後が、今後の発展ということで、どういうふうな発展を見せていくっていうような書き方をされてましたかね?

フィンチ高橋: まさにその最終章のところは、今までの本ではあんまりないので、フィジカルAIって言われている──まさにこう物理的にロボットとかそういう世界の中でAIが駆動していくということで、さらにそこはまさにこう巨大なマーケットになると言っていて。

日立製作所さんらしいですよね。そのハードのところにビルトインされた時にできること、やれること、未来のことが入っていて、まさにそこがAIエージェントとどう組み合わされるのかということが書いてあるという感じですね。

ひげおぢ: 生成AIじゃなくても、多分皆さんDXを導入する時にね、その自動的に倉庫で荷物をたとえばピックアップしてカゴに入れるみたいなところっていうのが、物流のそういう──その時に、たとえば自動的に走るためにそのカメラが付いてますとか、そういったところが多分事例として見てこられた方もいるかと思うんですけども。

フィジカルAIっていうのは、その普通のDXのそういう物理的なものとは何が違うんですかね?

フィンチ高橋: それはまさにこの本読むと少しイメージがつくのは、AIエージェントは、たとえば普段は画面を触って、テキストを打って、実物を変えてくるわけです。

でも、たとえば作業現場によっては手がふさがってる、その作業もやってない。そうするとまさに音声で「どうなってるの?」って聞いて、それでエージェントが音声で出力をするっていうケースもあってもおかしくないじゃないですか。

まさにそのインプットとアウトプット、この本の中ではUXって書いてありますけども、そのどういうUXをAIエージェントが提供してあげると、よりこう現場でフィットするのかって考えると、たとえば音声もあるし、あるいは映像で提供する場合もあったりするという世界だよね。

そういったことも含めて、そのエクスペリエンスみたいなものは、単なるテキストのフェーズからもっともっと発展するよということが説明されているというか。

ひげおぢ: なるほどですね。ここはちょっといずれもうちょっとですね、このフィジカルAIを実際にやられてる方をゲストにお呼びしてお話を聞くのも面白いかなと思いますね。

フィンチ高橋: まさにそういうの先進的にやってる話があったら面白いですね。この本の中では、たとえばこう、工場の中でものすごい騒音がしていると。その騒音してる中でマニュアルに関する情報が欲しいってなって、しかも手がふさがって。

そうすると、じゃあどうやってその音声でエージェントと会話をしていくのか。そうすると、もしかすると文字情報とか音声情報よりも映像で見せてあげて、「これ気をつけてる」みたいな話はやった方がいいみたいに、その現場とかその環境に合わせてエージェントが出す出力、それを変えるってことも結構大事だと書いてあったんで。

まさにそういう分野でそれぞれごとに特化してやってくる人が出るんじゃないかなという風に、さらに先読みすると──日立さんはおそらくこのエージェントを、いろんな業務でも汎用的に使えたり、オフィス全体で使えるところよりも、たとえば電力業界とか騒音の大きい作業もあるので、よりこう非常に特殊環境にそれぞれ固有の業界業務のところでのエージェント活用のところに、多分差別性とか優位性を出していこうと思ってんじゃないかなって。

最終章を読みながら、さすが日立だなと思いました。

帯とのギャップ──実は「明確な課題」を持つ人向けの本

ひげおぢ: この本の中身、帯とは印象が違っていて。実は、よく「ムチャブリ」される──「AIエージェントでいい感じにしてくれ」って言う時って、実は課題もふわっとしてることがめちゃめちゃ多いんですよ。もしくは目的と手段を間違えてるケースが多いっていう印象というか、これ私の実感なんですが。

ただ、日立さんの本って、「何とかしろ」の「なんとか」がすごい明確なんですよ、僕から言わせると。なのでそこは素晴らしいと思ってます。「ここを何とかしろ」って。「ここ」っていうのがもう具体的に分かっているところを無茶振りされてる印象なんですよ。

フィンチ高橋: 僕もね、帯を見てね、それで読んだんだけど、もうね、何回読んでもこの帯違うんじゃない

ひげおぢ: ですよね(笑)。

フィンチ高橋: いや、「こんな問題でも解けるのか!」っていう風に、そういう風にムチャブリされた人が読む本みたいなね。そんなイメージがあります。

ひげおぢ: やっぱそうですよね。だって、キャッチで我々当然この本で読んだら面白そうだなと思うんですけども、実は結論としてはもっと深いことを無茶振られても大丈夫ですよっていう気がしてきましたよね。

フィンチ高橋: 上司から難題を降りかけられた時に、まずは読んでみる。

ひげおぢ: 具体的な問題、複数なので。非常に具体的な難題が見つけられるというだけでも、相当優秀な上司ですね(笑)。

フィンチ高橋: そうですね。やっぱりこの本をいつだっけ、発売される、つい最近。この中でこの本によって驚くのは、やっぱりもう「AIエージェントとは何か」っていう話は──

ひげおぢ: もう。

フィンチ高橋: だいぶもう過去の話で、もうここまでエージェント活用とか構築運用の話が進んでいるんだということに、逆に危機意識を持つというか。そういう風に感じるような、本当に珠玉の1冊だと思います。

おわりに──コラムの飛ばし読みもあり

ひげおぢ: 最近、AIエージェントを一番使いこなしてるのは組織ではなく個人であり、組織としてのAIエージェント活用、っていうのはなかなか業務に入りにくいというのが、私自身そう思ってたんですけど。

高橋さんが言ったように、「いやいやいや、組織もすごいんだよ」と。「あなたたちが表層で何かやってる間に、全然そういうフィジカルな問題とかをAIエージェントが解決してるんだよ」って、ちゃんとそこは押さえておいてね、ということを教わった本ですよね。

そのような感じで、なかなか面白い切り口の本だと思うんですけど、高橋さん、最後にまとめとして、さらにあった印象など、何かコメントをお願いします。

フィンチ高橋: 多分ね、これまた予想なんですけど、非常にこう真面目に誠実に書いてある本なんで。予想としては、あんまりにも真面目に書いてあるので、途中から「コラム入れようか」となったんじゃないかと。編集さんが、「編集だけガチガチだと──」

ひげおぢ: そうそう、離脱する人がいるんじゃないかと。

フィンチ高橋: なので、ところどころに入ってるコラムが結構面白い。なるほど。なのでコラムの飛ばし読みしても楽しめるという、そんな本な感じがしました。

ひげおぢ: 逆に、日立さんの皆さんも、息抜きの感じで、すごく盛り上がってこれも書かれたかもしれないですね。

フィンチ高橋: そうかもしれないですね。

ひげおぢ: ぜひこれ、日立の中の方とかもですね、ちょっと何人も多分いらっしゃると思うんですけども、是非こういった方にも、繰り返しになるようでしたらお話できたらいいかなと思いました。

はい、じゃあ今日のお話はこれぐらいで失礼したいと思います。ご視聴、ありがとうございました。

フィンチ高橋: ありがとうございました。またよろしく。

 

【でじどうラジオ】

 

【今回の課題図書】

株式会社日立製作所 AI CoE『実践AIエージェントの教科書 構築技術と豊富な活用事例で学ぶ』(リックテレコム)

https://amzn.asia/d/1GMOQny

 

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この記事の監修者

監修者の写真

株式会社フィンチジャパン 代表取締役

高橋 広嗣

早稲田大学大学院を修了。
野村総合研究所経営コンサルティング部入社。
経営戦略・事業戦略立案に関するコンサルティングを実施。
2006年に当社を創業し現在に至る。
以来、一貫して事業開発プロジェクトとスタートアップ投資を行っている。
対外活動も積極的に行っており、顧客満足を科学した結果を発表したり、宣伝会議講座では事業開発の講義も実施している。

出版

半径3メートルの「行動観察」から大ヒットを生む方法

PR Times記事

https://prtimes.jp/main/html/searchrlp/company_id/53478>

ZUU online記事

https://zuuonline.com/authors/d7013a35

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