n8nの導入方法と使い方|導入手順と初期セットアップについて
公開日:2025.11.13更新日:2025年11月13日

目次
n8n Cloudとセルフホストどちらで始めるべきか
AIエージェントや自動化に取り組む際、多くの企業が最初に検討するのがクラウド上で始めるか、セルフホスト(自社環境)で運用するかという選択です。
結論から言えば、自動化の初期段階ではクラウドの方が適しています。これは速度と学習コストの低さが、早期成功と社内合意形成に大きく寄与するためです。
ただし長期運用や全社展開を視野に入れると、セキュリティ要件やシステム連携の観点からセルフホストが有力な選択肢になります。
ここでは、実務担当者が意思決定しやすいよう、両者の特徴を整理します。
n8n Cloudとは?
n8n Cloudは、AIエージェントツールn8nをクラウド上で即利用できるマネージド環境です。
環境構築やサーバ管理が不要で、ブラウザだけで自動化を始められる手軽さが特徴です。
n8n Cloudのメリット・デメリット
n8n Cloudは、公式が提供するホスティングサービスです。
ユーザーは、アカウントを作成すればブラウザからすぐ利用ができます。
サーバ構築やDocker設定は不要です。
以下のようなメリット・デメリットが挙げられます。
■n8n Cloudのメリット
- 導入が容易
アカウント作成後、ブラウザからすぐに利用可能。サーバ構築が不要 - メンテナンスが不要
n8n側でアップデートやセキュリティ対策、サーバー管理を実施 - 最新環境での利用
自動更新により、常に最新のn8n機能を利用可能
■デメリット
- 規模に応じた月額費用が発生する
料金プランに応じて実行回数が決まっており、利用規模が拡大するほど費用が増加 - 拡張性に制約
独自ノードやカスタム機能の追加ができず、複雑な業務要件や独自システム連携には不向き - データ管理範囲の制限
データはn8n社のクラウド環境で保管。そのため高度なセキュリティ要件や社内閉域網との連携が必要な場合は適用が困難
まとめるとn8n Cloudは、まず特定の業務で自動化を試し、その効果を短期間で確認したい場合に適しています。
小さく始め、運用の感触を掴む入り口として適しています。
セルフホストとは
セルフホストは、自社サーバやクラウド環境にn8nをインストールして運用する方式です。Docker等を用いて自社内で環境構築を行います。
以下のようなメリット・デメリットが挙げられます。
■メリット
- 自由度の高い運用が可能
自社環境に構築するため、独自ノードやカスタム機能の追加など柔な拡張が可能 - 費用の抑制が可能
実行回数に応じたSaaS型の従量課金ではないため、高頻度のワークフローでもトータルコストを抑えた運用が可能
※別途、インフラ費用や運用リソースは必要 - 実行回数が無制限
基本的に実行回数に上限がなく、大量処理や高頻度タスクにも対応可能 - 自社でデータ管理が可能
機密情報や高い統制要件のある領域でも導入が容易 - 自由なカスタマイズ
独自ノードやカスタム機能の追加など柔軟な拡張が可能
■デメリット
- 技術的知識が必要
Dockerやネットワーク、セキュリティ設定などのスキルが必須 - 運用負担が発生
障害対応、アップデート、バックアップなどを自社で担う必要がない - 初期導入に時間を要する
環境構築や設定に工数が必要
セルフホスト型は、AIエージェントによる業務自動化を本格的に拡大・定着させる段階で適した選択肢です。
初期段階はn8n Cloudで小規模に成果を確認し、導入効果が明確になった時点で、強固なセキュリティ管理やスケールを見据えたセルフホスト環境へ移行することが望ましいです。
n8n Cloudのアカウント登録と初期セットアップ手順
n8n Cloudアカウントの作成手順
ここからは実際にn8n Cloudを利用するための手順を説明します。
n8n Cloudを利用するには、まず公式サイトから以下のようにアカウントを作成します。
- n8n公式サイトへアクセス
https://n8n.io/ - .右上の「Get Started」をクリック

- 氏名・メールアドレス・パスワードを入力しアカウントを作成

4.メール認証後、ダッシュボード画面が表示されたら準備が完了する
■補足
- 初回登録後、14日間の無料トライアルが開始します
- 初回ログイン時に、オンボーディングガイドが表示され、基本操作を確認可能できます
- 公式チュートリアル動画も活用できます
https://www.youtube.com/watch?v=4cQWJViybAQ
n8nに登録後、14日間の無料トライアルが開始します。さらに最初のログイン時に、入門版チュートリアルが表示されます。
入門版チュートリアルでは、「Webフォームのデータを受け取り、特定の条件(日付)に基づいて処理を分岐させ、Slackに通知を送る」という、基本的な自動化ワークフローの構築手順を解説しています。
同チュートリアルはYouTubeでも提供されています。
https://www.youtube.com/watch?v=4cQWJViybAQ&t=40s
画面の見方と基本UI
次にStart Automatingをクリックすると、n8n Cloudのダッシュボード(ホーム画面)が開きます。ダッシュボードには「Start from scratch」と「Test A Simple AI Agent example」が表示されます。
まずは「Test A Simple AI Agent example」をクリックしてみましょう。
クリックすると、AIが作成したワークフローが表示され、実行することができます。
ここから、「Start from scratch」を選択すれば、すぐにワークフローを作り始められます。
主要UIの構成
n8nのインターフェースは、主に以下のエリアで構成されています。
| エリア | 説明 |
| Canvas (中央) |
ノードを配置し、ワークフローの処理フローを設計するスペース |
| 左サイドバー | Overview(概要)/Projects((ワークフローの整理・管理)/Templates (テンプレート集の検索)/Admin Panel (管理設定)が表示 |
| 右サイドパネル | ノード検索、カテゴリ別ノード一覧、AIワークフロー例やヒントが表示され、必要なノードを追加できる |
| Execute workflow (右下) |
作成したワークフローを実行するボタンs |
| Logs(画面下部) | 実行ログ、ノードごとの入力/出力データ、エラー内容の確認ができる |
| Topメニュー(上部) | ワークフロー名、タグ追加、Active/Inactive切替、保存状態、共有、 変更履歴、オプションメニュー |
ノードをドラッグ&ドロップで配置し、線(コネクション)で接続するだけでフローを構築できます。
ExcelやPowerPointで業務フロー図を作成する感覚に近く、IT部門以外の利用者でも習得しやすいUI設計となっています。
まとめ
本記事では、n8n導入時の基本方針として、「まずCloudで小さく試し、必要に応じてセルフホストへ移行する」という実務的なアプローチを以下のように整理しました。
- n8n Cloud素早く始められ、運用負荷が低い。PoCや小規模導入に最適
- セルフホスト 拡張性と統制が高く、全社展開や高度なセキュリティ要件向け
まずクラウドで成果を可視化し、「社内合意形成 → 導入対象拡大 → セルフホスト検討」という順序が効果的です。
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AIエージェントと連携したシステムにより在庫・天候・交通データを統合分析。
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週次のレポート作成を自動化し、マーケティング部門の作業負担を大幅に軽減しました。
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コンサルティングの成功事例 - など
この記事の監修者

株式会社フィンチジャパン 代表取締役
早稲田大学大学院を修了。
野村総合研究所経営コンサルティング部入社。
経営戦略・事業戦略立案に関するコンサルティングを実施。
2006年に当社を創業し現在に至る。
以来、一貫して事業開発プロジェクトとスタートアップ投資を行っている。
対外活動も積極的に行っており、顧客満足を科学した結果を発表したり、宣伝会議講座では事業開発の講義も実施している。
出版
PR Times記事
『https://prtimes.jp/main/html/searchrlp/company_id/53478>』
ZUU online記事
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