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社会課題の一覧から新規事業の企画を発想するためのたった1つのポイント

社会課題2018.01.22

45215259 – business solutions, success and strategy concept. businessman hand connecting jigsaw puzzle.

社会課題の解決をビジネスとして取り組みたいと考える経営者も多いようだが、事業としての実現可能性や対応すべきニーズや展開の方法を考えると、企画検討は意外と難しいのではないだろうか。

社会課題の解決から発想するためのたった1つのポイントは、社会課題から発想するのではなく、『「お金を払っても、これを解決したい」と強く願う人を1人見つけること』だ。今回は、社会課題から、どの様に新規事業の企画つなげていくかについて紹介しよう。

社会課題の解決への取り組みは、新規事業に結びつかない。

総論としては、社会課題の解決への取り組みをビジネスとして行い新規事業として推進することは可能だ。結果として、既存の事業や製品が社会課題の解決に貢献している場合は少なくないだろう。しかし、社会課題を解決することを主目的におくと、なかなか新規事業に結びつかない。

その理由は通常会社が持っている、販売チャネル・プロモーション等の販売力、生産設備・生産ノウハウ等の生産・技術力といった資源は、社会課題を解決することを目的にしていないからだ。経済的利益を獲得する様に最適化されており、顧客ニーズを叶えるために先鋭化されている。そのため、「社会課題の解決」と言った漠然とした課題にはそもそも対処できない。

具体的な社会課題が新規事業の候補となる

社会課題を新規事業に結び付けるには、具体的な社会課題の存在と内容の把握が欠かせない。具体的な社会課題の理解については、例えば国連の持続可能な開発目標(以下、SDGs)や内閣府NPO法人の活動分野などの一覧が参考になるだろう。特にSDGsは、テーマの整理だけでなく十分な統計データが共有されており、初期段階の検討には有効だろう。

SDGsの17分野のテーマ

  1. 貧困
  2. 飢餓
  3. 健康と福祉
  4. 教育
  5. ジェンダー平等
  6. 安全な水とトイレの普及
  7. エネルギーの提供
  8. 働きがい・経済成長
  9. 産業と技術革新の基盤づくり
  10. 人や国の不平等
  11. 住み続けられるまちづくり
  12. 持続可能な消費と生産
  13. 気候変動
  14. 海洋と海洋資源の持続可能な開発・保護
  15. 陸上生態系の保護、持続可能な利用
  16. 平和と公正な環境
  17. パートナーシップによる目標達成

出典:国際連合広報センター

詳しくは、国際連合広報センターのサイトなどが参考になる。

社会課題の解決から発想するためのたった1つのポイント

SDGsなどの社会課題のテーマからと、具体的な新規事業を企画するためのたった一つのポイントは、「お金を払っても、これを解決したい」と強く願う人を1人見つけることだ。例えば、SDGsで挙げられている飢餓や貧困という大きなテーマを具体的に掘り下げていき、こうした1人に具体像を描くことがポイントとなる。

貧困

例えば、お金を払ってでも貧困から脱出したいと考えるのは誰だろうか。無電化エリアが多いインドでは、貧困から脱出することに熱心な母親が、子供のために夜間に勉強をさせたいと高額なLEDランプを購入していた。パナソニック社は、ここに目をつけ、低価格で一晩持続するソーラー発電できるLEDランプを開発し、2014年に販売を開始した。
この場合、「お金を払ってでも子供の勉強を支援し貧困を脱出したい母親」が社会課題解決のエンジンである。
既存技術と社会課題の解決を結びつける人を発見することで、新規事業の道筋ができる。また、その取り組みは自社の技術力の向上や業績向上にも貢献するはずだ。

持続可能な消費と生産

持続可能な消費と生産は、自給率の低い日本でも大きな課題だ。例えば、高知市に拠点を置く、株式会社 土佐ひかりCDM社は、「ニラの生産」「肥料の生産」「無添加卵の生産」を地域内で同時に行い、資源を無駄なく循環させる事業を運営している。同社事業を支えているのは、「多少高いお金を払ってでも、高品質で無添加の農作物を求める消費者や企業」であり、顧客は直接同社商品を購入している。
この場合、「お金を払ってでも、原材料や生産方法が明らかな商品を買いたい顧客」が社会課題解決のエンジンである。

ジェンダー平等推進

女性の働く職場が少ない地域にその機会を提供することで新規事業につなげられることもある。アフリカの農村部などでは清潔で安全な水が求められており、飲料水メーカーなどがそれを提供すれば社会貢献となるが、商品を販売する機能を持たない地域では店舗と働き手が必要となる。その際、自社の販売店管理でのノウハウを活かして女性に店舗運営のスキルを提供できれば働き手の確保は難しくない。また、それを実際に行えば、彼女たちは収入が得られ、店舗での自社商品の販売は売上増加をもたらすだろう。

2017年3月に、途上国で起業する人たちを対象にマイクロファイナンスを行うスタートアップ「タラ」(Tala)が、シリーズBで3,000万ドル(約34億円)の資金調達を達成したが、女性の経済的自立を支援する仕組みには社会的に大きな期待が寄せられているのは間違いないだろう。

お金を払ってでも社会課題を解決したい1人からビジネスを立ち上げる

これから、経済的な利益と社会課題の解決を両立するビジネスにますます注目が集まってくるだろう。企業内で新規事業を企画するときにも、どういう社会課題を解決できるのか、厳しく問われてくるはずだ。その際、漠然とした社会課題から焦点を絞り込む際、「お金を払っても、これを解決したい」と強く願う人を1人見つけることが、企画の出発点になるだろう。
その1人の求めることを詳細に観察し、自社経営資源での解決を立案できれば、新規事業の糸口が見つかるはずだ。

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