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デスクリサーチが劇的に楽になる3ステップのやり方

                   
リサーチ
公開日:2018.01.23更新日:2022年10月28日

何らかの目的のために情報を必要としているならば、デスクリサーチを活用するとよいだろう。デスクリサーチを専門に行う業者も多数存在するが、デスクリサーチのやり方を身につければ、説得力のあるデスクリサーチをまとめることもできる様になるだろう。この記事では、デスクリサーチで使えるたった3つのステップについて説明する。

新規事業の立ち上げに関する内容は以下の記事でも詳しく解説している。
興味のある方はこちらもぜひご一読してほしい。
新規事業の立ち上げ方とは

目次

デスクリサーチとは『既存の調査』を調査すること

デスクリサーチとは、何か実際の調査(インタビューやアンケートなど)を行わずに、すでに何らかの目的によって実施された調査結果を文献やインターネットを使って収集することを指す。広義には、調べた結果を編集したり取りまとめしたりすることも含まれる。「デスクリサーチで資料をまとめてください」と言った使われ方をする。

デスクリサーチ2つのメリット

現在はGoogleなどの検索サービスが普及しているので、昔と比べるとデスクリサーチの活用範囲は比べ物にならないほど広い。

デスクリサーチは実際の調査に比べて、市場の概要や世の中のトレンドを広く把握するのには向いていると言える。具体的なメリットは大きく2つある。

  1. 機動力
  2. 情報の鮮度

デスクリサーチは新たに調査するコストも手間もかからないため、非常に機動力に優れている。

またGoogleトレンドを見ればどんなキーワードが検索されているかもわかるため、鮮度の高い情報をすぐに見つけられるのもインターネットによるデスクリサーチの良いところだ。

デスクリサーチの注意点:一次情報(原典)に当たる

こうしたデスクリサーチをする際に最初に気をつけることは、「一次情報」と「二次情報」である。

  • 一次情報:情報の出所となる元データ
  • 二次情報:一次情報を使って、分析したり筆者の意見が加わったりしたもの。

家計調査であれば総務省が「一次情報」であるし、アンケート調査であれば調査実施者がそれに相当する。二次情報は一次情報に加工や編集が加わっているので、それを加えた人の意図が含まれていることが多いが逆にインターネットの検索では発見しやすい。

つまり、最初に見つかる情報の多くは「二次情報」である。しかし、「二次情報」には、時に一次情報の一部を恣意的に切り取って使っていたり、悪質であれば歪曲して引用したりしている場合もある。

デスクリサーチをする際には、「一次情報」まで遡ってチェックする習慣を身につけておくと良いだろう。

一次情報の探し方

仕事で使うデスクリサーチと普段プライベートで行う検索との一番の違いは、データソース、つまり出所を確認することだ。例えば、プライベートでブログやニュース記事を読むことはデスクリサーチとは言わない。出所の確かな調査結果を特定の目的に沿って収集することが、仕事で使うデスクリサーチの基本と言えるだろう。

最近はスマートフォンを使って、デスクリサーチをすることも簡単にできる。例えば何かの市場を調べたいときは、ちょっとしたスキマ時間を使って予め決めた項目を順序立てて調べてメモに残す習慣ができていると、デスクリサーチの効率はぐっと上がるのは間違いない。

例えば、スマートフォンの市場調査(デスクワーク)であれば以下9点をまず調べるという風に決めておくと、後でまとめるのも楽になる。

  1. 市場規模
  2. 市場の構成
  3. 市場成長性
  4. 市場シェア
  5. 周辺市場の動向
  6. 新規参入
  7. 市場のニーズ
  8. 市場の課題
  9. 証券会社のアナリスト評価

同じ項目でデスクリサーチをし続けておくと、調査に基づく「一次情報」がある場所を見つけやすくなり、ますますデスクリサーチの効率が上がっていくのでぜひ試してほしい。

応用編:キーワードを定期的に調べる

応用編として、定期的に特定のキーワードだけに絞って調査結果を探す方法もある。例えば、「IoT」というキーワードを決めてそれに関する調査結果を毎月定期的に集めるといったデスクリサーチである。この方法を行うと、そのキーワードに関するどんな調査が世の中で実施されているかが時系列で把握できるので、それ自体がトレンドの理解につながるためである。何か特定のミッションを持っている方は試していただきたい。

劇的に楽になるデスクリサーチの3step

具体的に、デスクリサーチを進める方法を紹介しよう。

例えば、「電気自動車市場が、今後どうなるかデスクリサーチをして欲しい」と依頼されたとする。

step1.基本となる親キーワードを、複数の子キーワードで調べる

まず、あなたは以下の項目について、Googleでキーワード検索をしてみる。

親キーワードは検索する際に頭に書く単語のことで、ここでは「電気自動車」を指す。一方で、子キーワードは親キーワードの何を知りたいのかについて書く単語のことで、「とは」や「種類」などを指す。

  • 電気自動車の定義……「電気自動車 とは」
  • 市場規模……「電気自動車 市場規模」(売上高なども良い)
  • 市場の構成……「電気自動車 種類」
  • 市場成長性……「電気自動車 成長」(将来予測、予想も良い)
  • 市場シェア……「電気自動車 シェア」(メーカー名を入れても良い)
  • 周辺市場の動向……「電気自動車 周辺市場」(バッテリーなど機器もOK)
  • 新規参入……「電気自動車 新興企業」(メーカー名を入れても良い)
  • 市場のニーズ……「電気自動車 消費者」(実態など様々トライする)
  • 市場の課題……「電気自動車 規制」(燃費など様々トライする)
  • 証券会社のアナリスト評価……「電気自動車 アナリスト」

上記の様に項目立てを先にしておいてキーワードを入れると網羅的に情報を得ることができる。手取り早く「電気自動車 調査」と検索するのも良いが、有料の調査報告書の案内が出てくるだけの場合も少なくない。

step2.一次情報と二次情報を洗い出す

次に、それぞれの検索結果の中から「一次情報」と「二次情報」になる調査結果を洗い出す。それぞれ一つずつ読んでいくのも手であり、とにかくブックマークしたりPDFをダウンロードしたりして量を集めるのも手である。どちらでも自分のやり方に合う方法でいいだろう。

  • 市場調査会社の市場規模
  • 経済産業省やジェトロなどの市場予測
  • 電気自動車に関する消費者意識調査
  • NHKや日経新聞、コンサルティング会社などの課題分析
  • 外郭団体などの独自調査結果
  • 証券会社やメディアのアナリスト分析

こうした内容が見つかるはずだ。最初は「一次情報」と「二次情報」をあまり区別せずに内容を読み込んでいく。すると徐々に市場規模や成長性、課題・ニーズが理解できる様になってくるはずである。このタイミングで先ほどの項目ごとに箇条書きで整理しておくと後でまとめやすくなる。

step3.一次情報を中心にまとめる

そして最終的に資料にまとめる時は、「一次情報」を中心にデータを引用することを覚えておいて欲しい。実際に調べて見ると様々な意見や主張があると思うが、特定のアナリストの意見やメディアの主張に引っ張られずにまとめた方がいいだろう。

デスクリサーチの注意点

インターネットを活用することでデスクワークだけでもかなりのことが調べられる様になったのは間違いない。ただし、いくつか注意点もあるので紹介しておこう。

著作権

一つは、著作権などの権利についての注意である。調査結果によっては対外的な資料に使う際には許可が必要なものがあったり、対外発表での利用自体を認めていなかったりするものもある。デスクリサーチ結果の用途によって、著作権などの権利を侵害しない様にすることが第一の注意点である。自分で利用するだけの場合でも引用や出典を明記することを忘れない様にしよう。

情報が真実かどうか

もう一つは、必ずしも真実ではない場合があるということだ。調査を行った企業や団体は、自らの予算をかけて行なっているため必ず何らかの狙いがある。その狙いがデスクリサーチの目的と合致しているとは限らない。極端な例でいえば、市場が成長した方がメリットのある団体が調査をすれば、その意向を受けた結果を公表する場合だってありえるのである。よく調査の目的を確認することは大切なチェック作業である。

まとめ:正しいデスクリサーチのやり方

デスクリサーチは、今やビジネスマンの基本スキルになっているかもしれない。しかしそのやり方についてレクチャーを受けた人は意外と少ないのではないだろうか。Googleにキーワードを入れれば、世界中から情報を集めることができる時代だからこそ、仕事で使えるデスクリサーチのやり方を身につけてもらう際の参考にしていただきたい。

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この記事の監修者

監修者の写真

株式会社フィンチジャパン 代表取締役

高橋 広嗣

早稲田大学大学院を修了。
野村総合研究所経営コンサルティング部入社。
経営戦略・事業戦略立案に関するコンサルティングを実施。
2006年に当社を創業し現在に至る。
以来、一貫して事業開発プロジェクトとスタートアップ投資を行っている。
対外活動も積極的に行っており、顧客満足を科学した結果を発表したり、宣伝会議講座では事業開発の講義も実施している。

出版

半径3メートルの「行動観察」から大ヒットを生む方法

PR Times記事

https://prtimes.jp/main/html/searchrlp/company_id/53478>

ZUU online記事

https://zuuonline.com/authors/d7013a35

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