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VUCA時代にビジネスリーダーが取り組むべき4つのデジタル変革

                   
マーケティング
公開日:2018.01.22更新日:2023年4月20日

Abstract futuristic illustration of polygonal surface. Low poly shape with connecting dots and lines on dark background. 3D rendering

今、「VUCA Wold」といわれるバズワードが注目されている。変化が激しく不確実性が高く、混沌とした世の中の様子を表しているVUCAが企業経営に大きな影響を及ぼすからに他ならない。日々政治や経済における不安なニュースが耳に入り、AIやらブロックチェーンやら新しい技術の話題が社内で飛び交い、私たちの生活は全て不透明で不確実な環境に晒されている。多くの人がVUCAに苦しみ、VUCAに向き合うことから避けられない。今回は、VUCA時代におけるリーダーシップとデジタル変革について紹介しよう。

 

目次

ビジネスにおけるVUCAとは

VUCAという言葉は、冷戦の終結後に現れた多国間の世界を指す言葉として、1990年代初頭に米国陸軍戦争大学によって導入された概念。ビジネスの文脈で使われ始めたのは2008〜2009年の世界的な金融危機の後と言われている。

VUCAとは、4つの単語の頭文字から取った言葉である。

  • Volatility(不安定性)
  • Uncertainty(不確実性)
  • Complexity(複雑)
  • Ambiguity (曖昧)

つまり、変化が激しく不確実性が高く、混沌とした世の中の様子を表している。企業活動のみならず個人にとっても極めて難しい時代に入っていると言える。

具体的にはリーマンショックのような金融恐慌、冷戦後に急増しているテロ事件、異常気象・地震などによる地政学的リスク、消費者の購買行動の変化など、グローバル化した企業ほど、様々なリスクが降りかかっている。

VUCA時代において企業が取り組むべきアクション

そんな企業を取り巻くVUCA時代に対応して、今経営者はどんな対応を考えねばならないのだろうか?

常時、外部環境の変化に対する心構えをもつ

そもそも自社を取り巻く環境は、統制不可能なものが多く、「突然変化するのが当たり前」というくらいの心構えが必要である。考えられるシナリオを複数分析しておき、いつでも状況に応じて発動できる準備をしておく。

消費者ニーズの変化への対応

消費者は、企業側が一方的に配信する広告だけでは、購買に手が伸びない時代になっている。消費者は、自らネットで商品情報を探索し、店舗では商品のスペックや使い勝手を確かめるだけで、あとはネットの最安値の店舗で購入するという購買行動にシフトしている(ショールーミング現象)。そのような現代の消費者はもはや囲い込むことは困難で、いつでもつながることができる関係性を作っていく。例えば最近注目されているサブスククプション型のビジネスモデルはこうした関係性の見直しにも有効だ。

アジャイル経営

外部に脅威となる変化が起こった時に、迅速にかつ柔軟に対応するためには、「組織のスリム化」、「指示命令系統の変革」、「思い切った権限移譲」などが求められる。スタートアップなど変化対応力のある企業とのネットワークを常に持ち、アメーバの様に柔軟な対応ができる組織運営にしておく。

安定的収益源の確保、複線化

VUCA時代の大きな脅威の一つは、短期間にその企業の収入源を危うくするリスクが常にあることだ。それらリスクに備えるためには、複数の事業ポートフォリオから、安定した収益を確保できる「金のなる木」を作り出しておくことが重要である。しかし、金のなる木もいずれは枯れると考えなくてはならない。そのためのポートフォリオの複線化やパイプライン化についても考慮しなくてはならない。

VUCA時代を勝ち残るためにビジネスリーダーが取り組むべき4つのデジタル変革

企業を取り巻く環境の変化や、消費者の購買行動の変化に対応し、迅速に意思決定して行動に移すには、次のようなアナログからデジタルへの経営思考の変換が必要である。

1.顧客とのリレーション力強化

顧客の購買行動がデジタル化している以上、そのデジタルデータを収集し、分析し、送り返して交流するリレーションの仕組みが必須となる。その方法としてはSNS(LINE、フェイスブックなど)やCRP(顧客の購買履歴)の活用が考えられる。顧客から信頼されリレーションを強くすることでロイヤルティを高く維持し、囲い込むことが出来る。また、リレーションデータから見える顧客ニーズの変化から、新たなビジネスの方向性を見出すことも出来る。

2.迅速な情報の収集、分析、解釈システム

その企業にとって基本的な情報は瞬時に入手できる体制を整える事が重要である。情報の入手が遅れれば分析、解釈が遅れ、当然のように対応が遅れる。売上や客数などの主要データは大まかな流れと異常値の発見に努める。異常値が出た事業所や店舗のみ迅速に原因を分析し対応を検討するルーチンを確立する。

また、自社データのみならず、取引先情報にも注視する。例えばメーカー→卸→小売のディマンドチェーンを構築していた場合、自社の売上は順調であっても取引先との受発注、物流、決済のEDIデータをチェックし、トレンドの変動をいち早くキャッチする体制を整備しておくことが重要である。

3.指揮命令系統の劇的なデジタル化

上司に出来て部下に出来ないことといえば、「決済機能」である。部下が迅速に動いても上司の決断が遅れれば、それだけVUCA時代の不安定要素に振り回されることになる。日本の伝統的な稟議制度は安定成長期には有効であったが、迅速な決断によってトライ&エラーを繰り返さなくてはならない現代には、無用の長物である。Webベースで社内の稟議システムを構築し、上司のNGサインが無ければ自動通過するくらいのデジタル変革が必要である。

4.ビジネスモデルのデジタル化

突き詰めて考えると、ビジネス自体もアナログからデジタルに変換することがVUCA時代に対する最高の対処方法である。つまり、これまでの原材料を仕入れて加工し、販売するといった「モノビジネス」から、利用者に対してソリューションを提供する「コトビジネス」への転換である。旅行業に対するAirbnbや、タクシー事業に対するUBERが好例である。

まとめ:VUCA時代を勝ち残るためのデジタル変革

企業を取り巻く環境が不安定になればなるほど、その企業経営者の考え方が如実に対応方法に表れてくる。VUCA時代に立ち向かうには、まず次の要素が求められる。

  • 環境の変化をいち早く察知する情報収集分析能力
  • 逆風に耐えられるだけの内部留保
  • 短期間に新たなビジネスにトライ&エラーを繰り返す俊敏さ

そのベースにあるのが、企業戦略のデジタル化と、ビジネスモデルのデジタル化を推進するデジタルトランスフォーメーションであると言える。

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この記事の監修者

監修者の写真

株式会社フィンチジャパン 代表取締役

高橋 広嗣

早稲田大学大学院を修了。
野村総合研究所経営コンサルティング部入社。
経営戦略・事業戦略立案に関するコンサルティングを実施。
2006年に当社を創業し現在に至る。
以来、一貫して事業開発プロジェクトとスタートアップ投資を行っている。
対外活動も積極的に行っており、顧客満足を科学した結果を発表したり、宣伝会議講座では事業開発の講義も実施している。

出版

半径3メートルの「行動観察」から大ヒットを生む方法

PR Times記事

https://prtimes.jp/main/html/searchrlp/company_id/53478>

ZUU online記事

https://zuuonline.com/authors/d7013a35

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